Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2013: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
当該年度は, 本研究課題の最終年度にあたるため, 成果報告(1)とまとめの調査(2), 来年度以降に研究をさらに発展させるための予備調査(3)に重点を置いて研究活動を遂行した。 (1)過去2か年の研究成果を, 日本地球惑星科学連合大会(5月), 日本西アジア考古学会(6月), 国際アラビア考古学セミナー(7月), 国際地理学会議(8月), 日本地理学会(9月), 米国オリエント学会(11月)で報告した。また, オマーン国バート遺跡群およびアル・ムカイダ遺跡, ワディ・アル=カビール盆地における調査成果を英文報告書にとりまとめ, 遺跡を所管する遺産文化省に提出した。 (2)2013年12月25日から2014年3月13日にかけてオマーンに渡航し, バート, アル=フトゥム, アル=アイン遺跡の世界遺産指定地区において, 遺構の分布調査とデジタル文化遺産目録(DHI)の構築に取り組んだ。3遺跡あわせて589か所の遺構を確認し, のべ841点の画像とともにDHIに収録した。DHIはデータベースソフトウェアFileMaker Pro 12を用いて基幹システムを構築し, そこから各遺構の帳票を書き出すとともに, 位置情報を地理情報システム(GIS)にインポートし, Google EarthのKMLファイルに出力して, 動的なマップを簡易に閲覧・印刷できるようにした。成果物はオマーン遺産文化省に納品した。成果物は今後, これらの遺跡の研究ばかりでなく, 史跡保護・整備計画の立案や教育普及活動に活用される見通しである。 (3)上記調査の過程で, バート遺跡の東7kmの地点に塩湖とみられる凹地を発見した。凹地に隣接する低い丘陵上には完新世の石器が散在していた。また, 凹地を取り囲む丘陵の尾根状に, 紀元前4千年紀末から3千年紀初頭に比定される積石塚群の存在を確認した。来年度以降, この新発見遺跡の学際調査に取り組むことを計画している。
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