斜面崩壊と土砂生産を規定する素因・誘因および地球温暖化の影響の広域的評価
Project/Area Number |
11J00148
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Geography
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 仁 東京大学, 空間情報科学研究センター, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 斜面崩壊 / 降雨量 / 日本列島 / NSWI / 2011年台風12号 / 規模-頻度 / 紀伊半島 / 湿潤変動帯 / 斜面傾斜 / decision-tree model / 降雨イベント / モニタリング |
Research Abstract |
研究目的を達成するために平成24年度に行った研究は、以下のようにまとめられる。 1.2011年台風12号による紀伊半島での深層崩壊の発生と降雨量との関係を解析した。その際には、累積雨量、最大1時間雨量、Normalized Soil Water Index (NSWI)を用いた。NSWIは、土壌雨量指数と呼ばれる指標を、同一箇所の過去10年間の最大値で基準化したものである。 その結果、深層崩壊の発生と、累積雨量と最大1時間降雨量との間には明瞭な関係が見られなかった。その一方で、NSWIと深層崩壊との分布を比較したところ、NSWIが高いグリッドほど深層崩壊が発生していた。紀伊半島は日本の中で最も降雨量が多い地域の一つである。このような地域では、累積雨量や最大1時間雨量といった降雨量の絶対値よりも、NSWIのような過去の記録と比較した相対値を用いることが深層崩壊の評価に有用であることを、この結果は示している。(Saito and Matsuyama, 2012, SOLA) 2.日本列島における斜面崩壊の規模一頻度と降雨量との関係を解析した。本研究では、降雨に起因した4,848件の斜面崩壊を対象とし、一連の降雨の開始から斜面崩壊が発生するまでの、累積雨量(mm)、最大時間雨量(mm/h)、平均雨量強度(mm/h)、降雨継続時間(h)を解析した。また斜面崩壊データを規模に応じて2つのグループに分類し、斜面崩壊が発生した降雨イベントの特徴を解析した。 その結果、規模が大きい斜面崩壊ほど、累積雨量、最大時間雨量、平均雨量強度が大きくなることが明らかになった。特に、累積雨量200~270mm、最大時間雨量33~45mm/h、平均雨量強度3.5~3.8m血hを超えると、規模の大きな斜面崩壊(約2,000m3)の頻度が大きくなる傾向が明らかになった。その一方で、降雨継続時間には、斜面崩壊の規模との関係が見られなかった。この結果は、累積雨量や雨量強度がより斜面崩壊の規模に影響することを示唆している。
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Report
(2 results)
Research Products
(18 results)