Project/Area Number |
11J00444
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
須田 碧海 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2) (20789573)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 土壌 / 重金属 / Mn酸化物 / Fe酸化物 / 逐次抽出法 / 火山灰土壌 |
Research Abstract |
平成23年度では、既存のMn酸化物中重金属の選択的抽出法(Chao法)の日本土壌への適用性について検討を行ない、日本に広く分布する火山灰土壌では、Mn酸化物の溶解性が非常に低く、適用不可能であることを示した(Geodema.第163巻,pp.291-295に掲載済)。この結果を踏まえ、今年度はChao法よりもMn酸化物に対する溶解力が大きく(特に火山灰土壌)、かつMn酸化物への選択性がChao法と同程度である改良法を開発した。Chao法と同様に、抽出中の再吸着や沈殿などの問題がなくCd, Co, Ni, Znを抽出可能である。 また、主に平成23年度に得られたデータから、世界的に広く用いられる0.5mol L^<-1>NH_2OH-HCl(pH1.5)を用いたMn/Fe酸化物溶解法(Modified BCR化学形態別逐次抽出法の一画分;Mn/Fe酸化物中の重金属を抽出する方法)は、火山灰土壌ではFe酸化物のごく一部しか溶解できないため不適当であること、およびFe酸化物の溶解率は、活性Al(短周期型Al鉱物やAl-腐植複合体)の含量と強い負の相関が認められ、火山灰土壌に豊富に含まれるこれらの成分が、酸化物の還元溶解を阻害していることを示した論文が受理・掲載された(Soil Science and Plant Nutrition.第58巻,pp.684-695)。また、平成23年度には、世界的に広く用いられる0,04molL^<-1>NH_2OH-HCl(25%酢酸中)を用いたMn/Fe酸化物溶解法(Tessier(1979)の化学形態別逐次抽出法の一画分)では、火山灰土壌を含む日本の土壌中のFe酸化物の溶解が不十分であることを示し、溶解力を大幅に改善しつつ、原法と同程度の高い溶解選択性を維持した改良法を開発した。今年度は、この方法にさらに改良を重ね、成果を国際誌Soil Science and Plant Nutritionに投稿した。 このように、研究実施計画にあるMn酸化物選択溶解法およびMn/Fe酸化物溶解法の改良は達成された。また、それらの成果は国際誌に掲載済み、または投稿・審査中であるなど、研究に大きな進展があった。これらの方法を組み込んだ逐次抽出法の提示は、今後の課題として残された。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)