カーボンナノチューブを用いたナノサイズ高周波振動子の開発
Project/Area Number |
11J00552
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nanomaterials/Nanobioscience
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
千賀 亮典 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ナノデバイスカーボンナノチューブ / フラーレン / 透過電子顕微鏡 / 透過電子顕微鏡内マニピュレーション / 分子動力学シミュレーション / ナノ加工 / ナノデバイス / カーボンナノチューブ |
Research Abstract |
本研究ではこれまでに類を見ない革新的なナノカーボン材料応用として、ギガヘルツ帯で駆動するナノサイズ高周波振動子をとりあげ、これを実現するために必要な要素技術の確立を目指してきた。平成24年度は前年度に引き続き、カーボンナノチューブ(CNT)の加工手法の開発とそこで必要となるナノスケールでの物理現象の解明に力を入れてきた。 まず両端をシールしたCNT内部のナノ空間内に振動子にあたるCNTカプセルを形成し、その運動の詳細観察からCNTカプセルが熱エネルギーを駆動力として室温中でも非常に高速で空間内を往復運動(振動)していることを明らかにした。 またより運動を滑らかにするためにCNTカプセルの外殻として直径の異なるCNTを接合したダンベル型CNTの作製に取り組んだ。前年度までの成果では制御良くダンベル形状を作製することが困難であったが、今年度は多層CNTの内層部分を引き抜いた中空CNTに対し、引張り応力を加えながら通電加熱することで、制御良く作製することに成功した。これは将来的にCNTの物性を決定付ける最も重要なファクターである幾何構造の制御につながる重要な技術である。 さらに前年度の成果として、ダンベル型CNTを作製するプロセスの中で当初の計画では議論していなかった、CNTの円筒扁平間状態遷移という新たな物理現象を見出した。これは学術的に非常に価値の高い発見であり、本年度も引き続き研究を行った結果、この現象が熱エネルギーによる状態遷移であることなどを明らかにした。 以上の成果により当初目的としていたデバイスが十分実現可能であるとの見通しを得ただけでなく、現在幅広く期待されているナノカーボン材料において、一分子レベルの加工技術という基礎を築くとともに、新たな物理特性の発見からそのポテンシャルをさらに拡張するに至った。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)