Project/Area Number |
11J00770
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(実験)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河崎 直樹 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 光子中性子検出器 / KL→π0νν崩壊事象 / 新物理探索 / CP対称性の破れ |
Research Abstract |
24年度は、光子中性子検出器(NCC)の製作を完了し、KOTO検出器内へのインストール作業並びに動作確認を行った。また、実際にNCCを用いてデータ取得を行った。 まず第一に、昨年4月から開始した、CCを構成する48モジュールの量産作業を行った。検出器を構成する無機シンチレーション結晶出あるヨウ化セシウム結晶(CsI結晶)と、結晶発光の読み出しを行う波長変換ファイバーの接着作業を8月に完了した。次にファイバーで伝搬した光信号を光電子増倍管へ導入するコネクターのファイバーへの取り付けとファイバー端面の研磨作業を行い、8月いっぱいで完了した。 また完成したモジュールの性能試験を、宇宙線μ粒子を利用した測定システムで同時並行に行い、全てのモジュールの動作確認を完了した。 さらに昨年納品されたモジュール読み出しに使用する全ての光電子増倍管の増倍率測定および、真空中でも放電せず長期的に安定動作するかの確認試験を6月~9月の期間で行い、基準を満たす個体を選別した。 検出器素材であるCsI結晶は低湿度環境での維持管理が必要なため、専用の乾燥作業スペースを京都大学内に構築し、9月~11月の2か月掛けて全てのモジュールの組上げ作業を無事終了した。 12月には完成したNCCを、茨城県東海村のJ-PARC陽子加速器施設への輸送を行い、KOTO実験検出器内部にインストールする作業を完了した。 インストール後は宇宙線μ粒子による信号を取得し、その解析から全チャンネルで1%以下の精度でのエネルギー校正を完了した。 1月ならびに3月にはKOTO実験のほぼ全ての検出器を稼働させてビームを照射するエンジニアリングランを行った。 この際NCCでは実際にハロー中性子測定の為のデータ収集を行っており、現在は取得したデータの解析中である。これらの結果から、本実験におけるバックグラウンド事象への理解が大きく前進すると期待される。 また今年4月に開始するKL→π0νν崩壊事象の為のデータを取得する物理ランにおいて、本年度に完成したNCCの導入によるバックグラウンド事象対策は必要不可欠である。本年度の研究成果としてNCCの完成ならびに安定動作の確認を実現したことは、今後の新物理探索実現に向けて、大きな進展であったと言える。
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