Project/Area Number |
11J00807
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 達也 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ヌクレオレドキシン / ホスホフルクトキナーゼ-1 |
Research Abstract |
Nucleoredoxin(NRX)は酸化還元酵素Thioredoxinファミリーの一つであり、Wnt/βカテニン経路をレドックス依存的に制御していることが明らかとなっている。これまでのところ、私はNRXの新規結合蛋白質として、解糖系で律速反応を触媒する酵素Phosphofructohnase-1(PFK-1)を同定しており、細胞内にNRXやPFK-1を強制発現させた場合だけでなく、内在性のNRXやPFK-1においても複合体形成を確認することができていた。さらに、NRX遺伝子が欠損したマウス胎児由来の繊維芽細胞(MEF)と野生型MEFを用いてPFK-1の酵素活性を行ったところ、NRX欠損MEFでは野生型MEFに比べPFK-1の活性が抑制されていることを明らかにしていた。そこで、今回の研究では、PFK-1活性の低下が細胞にどのような影響を与えているかについて調べた。まず初めに、PFK-1が解糖系の律速酵素であることから、解糖系もしくはその下流で産生されるATPの量に変化がみられると考え測定を行ったところ、NRX欠損型MEFでは野生型MEFに比べATP量が低下していることが明らかになった。次に、先行文献において解糖系の低下はペントースリン酸経路の亢進をもたらすことが明らかになっていることから、NRX欠損型もしく野生型MEFを用いてペントースリン酸経路の代謝産物であるNADPH、還元型グルタチオンの量に着目して測定を行った結果、NRX欠損型MEFでは野生型MEFに比べNADPH、還元型グルタチオンの量が増加していることが明らかになった。さらに、これらの代謝産物の増加は酸化ストレスに対する耐性を増加させる可能性が考えられるため、過酸化水素処理を行うことで酸化ストレス耐性を評価したところ、NRX欠損型では野生型MEFに比べ酸化ストレスに対する耐性が増加していることが明らかになった。これらの結果より、NRXはPFK-1の制御を通して細胞内の恒常性維持に寄与している可能性が考えられる。
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