Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本年度は、国内所属機関(新潟大学)および海外研究機関(米国・イェール大学医学部病理学分野)にて研究を展開した。新潟大学においては口腔腫瘍細胞の動態にかかわるポドプラニンの分子機構を解明することを目的とし、研究実施計画項目(下記1~3)について昨年度からの継続実験および論文発表を行った。イェール大学においては、研究課題項目を発展させ、間質空間内の血管・神経性微小環境構築におけるCD44の分子機能解析および腫瘍間質再構成実験系の確立を開始した。 1.ポドプラニン発現解析:唾液腺腫瘍においては、筋上皮細胞様の腫瘍細胞および硝子・粘液様腫瘍間質領域の網目状細胞に特徴的発現が確認され、間質空間認識分子である可能性が示唆された(Tsuneki M, et al., Virchows Archiv 2013;462:297-305)。また、鼻口蓋管嚢胞では、従前から信じられてきた鼻口蓋管遺残上皮による発育性嚢胞ではなく、歯根嚢胞と同様の炎症性嚢胞あるいは、唾液腺導管拡張型粘液貯留嚢胞と捉えることが妥当であることが明らかとなり、教科書的常識を覆す実験結果として論文発表を行った(Tsuneki M, et al.Oral Diseases 19(4):415-424,2013)。 2.扁平上皮癌における機能解析:ポドプラニンの主たる分子機能は、細胞外ドメインによるヒアルロン酸依存性の細胞・基質間接着を正に制御していることにあり、細胞外基質を介した細胞・細胞間接着にも貢献していることを明らかにした(論文投稿中)。 3.ポドプラニン結合分子の検索:ポドプラニンとの共免疫沈降物のプロテオーム解析により細胞外分泌性熱ショックタンパク質(HSPA9)を同定し、両分子間相互作用を複数の方法により確定した(Tsuneki M, et al, Biochemical and Biophysical Research communication,434(1):124-130,2013)。
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