Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
背景.ラグランジュ点(L点)とは,主従2つの天体の引力とそれらが相対運動を行うことによって生じる遠心力が釣り合う点を指す.時間に依らず天体と常に一定の位置関係を保つことができるという特性を持ち,これまで宇宙空間における通信や観測の拠点として注目され活用されてきた.昨今においては,それらが地球の重力圏外に位置する点であることに着目し,深宇宙探査の拠点,即ち宇宙港としての可能性も検討され始めている. 目的.地球-月(EM)系及び太陽-地球(SE)系のL1点とL2点に対し,それらの近傍で宇宙機を維持できる軌道,あるいはそれらを起点・終点とする軌道移行法を議論し,宇宙探査の拠点としてのL点利用の得失を論じる. 成果(1).太陽光圧を用いた維持軌道の設計.太陽輻射圧を利用したL点近傍周期軌道について,制御則の定式化と数値計算による実証を行った.ここでは2種類の制御方法を立案している.一つは,宇宙機の姿勢を能動的に変化させて太陽輻射圧による加速の大きさと方向を制御する方法,もう一つは姿勢ドリフト運動を利用し受動的に制御する方法て"ある.後者の場合,軌道維持に必要な制御量が0で済むという大きなメリットがある. 成果(2).EM L1/L2とSE L2間の軌道移行.EM L1/L2を出発し,SE L2に至る軌道を得た.1-インパルス軌道,2-インパルス軌道など軌道形状を予め仮定し,それぞれについて最適化軌道を求め,必要な制御量,飛行時間,出発ウインドウの大きさの比較検討を行った.加えて,月スイングバイを用いることで制御量を削減できるという仮説について考え,この正当性を数値的に実証した.成果(3).EM L1/L2からの地球重力圏脱出.EM L2を出発し,地球の重力圏外へ脱出する軌道について,どのようにすれば最も効率良く脱出速度を増加させることができるか検討した.結果として,太陽摂動を用いて地球付近を通過するように誘導し近地点で推力加速を与えて地球重力圏を脱出する方法を提案し,EM L2から直接脱出する場合と比べて,大幅な効率の向上を望めることを数値的に示した.
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