Project/Area Number |
11J02064
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
島田 敦広 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | DNAミスマッチ修復系 / ATP結合タンパク質 / エラーフリーPCR / DNAミスマッチ修復 / X線結晶構造解析 / 免疫沈降法 / Southern-blotting |
Research Abstract |
DNAミスマッチ修復系(MMR)の欠損は、ヒト遺伝性非ポリポーシス大腸癌の原因となることが知られている。高度好熱菌Thermus thermophilus HB8のMMRは、ヒトと同じタイプであるため、本モデル生物を利用して得られるMMRの情報は、基本的生命現象の解明だけでなく、将来、ヒトの医療を含めて、幅広く利用できると期待される。 MMRでは、DNAの複製過程で生じたミスマッチ傷害が、まずMutSタンパク質によって認識され、次にMutSによって傷害部位に誘導されたMutLタンパク質によって、誤ったDNAへ切れ目(ニック)が導入される。このニックから、誤ったDNAが除去され、正しいDNAの再合成が行われることで、修復が完了する。MutS,MutLは共に、ATP結合分解タンパク質として同定されており、ATPの結合、分解によってそのタンパク質構造が大きく変化することが報告されている。生体内のATP濃度は1~10mMと非常に高く、MutLとATPが複合体を形成するのに十分なATPが生体内には存在している。一方で、MutLのATP加水分解活性は非常に弱いことが知られているため、大部分のMutLは生体内ではATP結合型で存在していると考えられる。MutLによる誤ったDNAへのニック導入は、MMRにおけるもっとも重要なステップであるが、ATP結合型のMutLのニック導入活性は強く阻害される。したがって、生体内では、ATP結合型MutLのニック導入活性を発現させる未知の機構が存在することが予想され、本研究ではMMRにおけるミスマッチ認識タンパク質MutSがATP結合型MutLのニック導入活性を発現させることを明らかにした。 さらに、多分野で利用されている核酸増幅反応(PCR)へ、高度好熱菌由来MutSを添加することで、その反応の正確性を向上させることに成功し、この技術に関して特許を申請した。
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