Project/Area Number |
11J02156
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Intelligent informatics
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
徳光 政弘 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2011 – 2012
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
|
Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 自律分散システム / 動的環境 / 適応的戦略 / 自律的エージェント / 自己修復ネットワーク / ゲーム理論 / 空間的戦略 |
Research Abstract |
自律分散システムは、動的環境下ではシステムが動作し続けるために変化する環境に適応する必要がある。本研究では、自律的エージェントの行動の意思決定を戦略としてモデル化し、適応的戦略の構築を試みる。 本年度の研究では、任意の戦略に対して適応的に振る舞う戦略の概念である適応的戦略の性能評価について、より詳細な性質を考察するために統計的な有効性を検証した。適応的戦略の評価は、適応量と呼ばれる指標を計算することで、戦略間の比較を行う。適応量は戦略集合と戦略が得る利得から計算される。 適応的戦略の評価例として、自己修復ネットワークを選定した。自己修復ネットワークは、情報システムを対象とした相互修復モデルである。自己修復ネットワークのエージェントには、修復戦略として空間的戦略を導入した。自己修復ネットワークに適応的戦略の解析を適用し、シミュレーションにより評価した。 シミュレーションの結果から、同一戦略集団のエージェントが保持していた平均の合計リソースを計算し、適応量を計算した。まず、適応量が最大となる戦略は、平均合計リソースが最大ではないものの、戦略集合の中で比較的高いリソースを保持していることを確認した。そして、この戦略の適応量が最大であることについて、統計的な有意差があることを確認した。また、他のシミュレーション条件下で検証したが、戦略問で適応量に有意差が確認できない場合があった。この結果から、適応的戦略はネットワーク内に単独、もしくは複数の戦略が共存する形で存在する場合があることを明らかにした。 情報ネットワークでは、エージェントが置かれる環境は時々刻々と変化する。適応的戦略を持つエージェントは、このような環境に対してパフォーマンスを低下させることなく、単独もしくは共存する形で活動できる可能性を示唆した。また、提案する戦略概念と他の戦略概念との関連を調べる手がかりとなる成果を得た.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
適応的戦略の性質を考察するために進捗にやや遅れがあった。昨年度の進捗から、適応的戦略の指標を用いた戦略の性能比較について統計的に評価することで、提案概念の詳細な性質の考察を試みた。解析の対象として、自己修復ネットワークを選定した。シミュレーションを用いて検証し、適応的戦略の解析をした。その結果、適応量が最大となる戦略の統計的有意差を確認した。今年度の解析対象のネットワーク構造は単純で、環境は静的であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、適応的戦略と他のネットワーク構造や、環境適応の時間的特性の関連について検討する必要がある。 今後は、適応的戦略と関連する戦略の概念との比較を行い、提案戦略との関係を明らかにする。今年度の研究進捗により、ネットワーク内に適応的に振る舞う戦略が単独、または複数存在することが明らかになり、関連する戦略の概念との関係を調べる手がかりの知見を得た。また、解析対象のネットワーク構造は単純で、環境は静的であった。今後は、適応的戦略に関して他のネットワーク構造や、環境に適応するまでの時間的特性を考察する。解析にはシミュレーションや数理解析を用いる。そして、適応的戦略の情報システムへの適用に関して、適応的戦略の設計手法、設計した戦略間の評価手法について検討し、考察する。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)