Project/Area Number |
11J02183
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Area studies
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
栃堀 木綿子 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | イスラーム思想 / 他宗教理解 / 国際情報交換 / アルジェリア:フランス / アルジェリア / 宗教間対話 |
Research Abstract |
本研究の目的は、19世紀アルジェリアにおいて仏侵略に対する武装闘争を指導し、組織化された戦略と制度のもとイスラームによる人々の糾合を試みた、アミール・アブドゥルカーディル・ジャザーイリー(Amir Abd al-Qadir al-Jazairi, 1807-83)の他宗教理解について検証することであった。(1)彼についてキリスト教国であるフランスとの戦争と、敗北後のシリアでのキリスト教徒救済の事例は彼の思想上の変化と捉えられてきた。他方で、アブドゥルカーディルについて、戦時にキリスト教司祭と対話するなどの事例も記録されている。本研究では異教徒の侵略に対する防衛というジハードの遂行が義務づけられた、戦時という状況の特殊性をふまえ、彼の思想の一貫性について重点を置いて、彼のキリスト教理解について検証し、博士論文にまとめた。その結果、彼のキリスト教理解は伝統的なイスラームの見解を踏襲しながらも、他方では彼のキリスト教徒理解は、時代状況や彼自身の経験が反映されたものであったことが明らかになった。彼が敗北後にフランスに対して人権の擁護を主張していたことは、表向き服従とみられていた彼の立場を示す上で重要である。(2)彼の思想と行動が、現代的の宗教間対話の文脈で評価され、本国アルジェリアにとどまらずフランスやアメリカ合衆国などで関連行事が継続的に行われていることに本研究は注目した。平成24年の12月に報告者はフランスのリヨンで行われた行事に出席し、アメリカ合衆国のアブドゥルカーディル教育プロジェクトを訪問した。これらの取り組みは異なる宗教や国籍に属する人々の融和や交流を推進深めるという目的をもち、講演会やスピーチコンテストなどを継続的に行うことで、彼の思想と行動の意義を共有していることが明らかになった。
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