Project/Area Number |
11J02244
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳下 祥 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 2光子励起顕微鏡 / ケイジド・グルタミン酸 / 光遺伝学 / スパイン / 可塑性 / 側坐核 / ドーパミン |
Research Abstract |
側坐核の主細胞において、樹状突起スパインの増大という形態可塑性と長期増強を調べ、この形態可塑性がドーパミン・シグナルによりどのような時間枠で調節を受けるかを調べることで、これらシナプスの強化学習の基盤としての役割を明らかにするのが本課題の目標である。この目的のため、マウス脳の急性スライス標本において、2光子刺激によるグルタミン酸シグナルの操作、光遺伝学によるドーパミン刺激の操作を組み合わせて側坐核主細胞である中型有棘細胞のスパインに可塑性刺激を与える実験系を昨年度に確立した。この系を用い、ドーパミンD1受容体を発現し、直接路を構成する中型有棘細胞(DIR-MSN)をウィルスベクターで標識したマウス急性スライス標本を作成した。先行研究を参考にしながらSTDP刺激をグルタミン酸アンケージングにより与えた。これにより形態可塑性を誘発する条件を検討したが、微弱な変化しか得られなかった。ところが、ここに光遺伝学を用い報酬シグナルを模倣した一過性のドーパミン刺激を与えると、顕著な形態可塑性を誘発することが確認された。このドーパミンによる形態可塑性の増強は、グルタミン酸刺激後の秒単位の時間枠においてのみ有効であることを見出した。これは報酬による学習は、事前に起きた行動を後から来た報酬が強化するという強化学習のシナプス基盤であると言える。 この時間枠は予想よりも狭く、この時間枠を規程する分子基盤について検討を進める方針とした。まずカルシウムを考えたが、カルシウム・イメージングの結果、ドーパミンがカルシウムシグナルを直接的に強く修飾しているという結果は得られなかった。一方、PKへの阻害ペプチド、DARPP-32の阻害ペプチドによりドーパミンの可塑性増強効果は減弱した。このことから一過性のドーパミンの上昇はDARPP-32を経由したシグナル路で形態可塑性を修飾している可能性があると考えられた。今後、CaMKII、PKAなどのFRETプローブを用い、さらに検討していく方針である。
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