Project/Area Number |
11J02570
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
木質科学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
津山 濯 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | リグニン前駆物質 / 輸送 / コニフェリン / β-グルコシダーゼ / リグニン / トランスポーター / モノリグノール / 共発現解析 / シロイヌナズナ / T-DNA挿入変異体 |
Research Abstract |
リグニン前駆物質の生合成から細胞壁へ輸送され重合に至るまでの過程は、樹木の主要な生理活動の一つであるが、前駆物質の輸送に関してはほとんど知見が得られていない。これま、ポプラ・ヒノキ分化中木部から得られたミクロソームにおいて、モノリグノール配糖体であるコニフェリンがV-ATPaseによるH+勾配を利用して取り込まれることを示してきた。更なる実験により、このコニフェリン輸送は他の配糖体などによって阻害されない、基質特異性の高い輸送であることが示唆された。さらに輸送に関与する膜の由来をショ糖密度勾配法により確かめたところ、比重の小さいV-ATPaseを含む画分で活性が顕著に見られたが、液胞中に局在する酵素活性のパターンとは一致していなかった。比重の小さい画分はトランスゴルジネットワークの小胞などを含む可能性があり、コニフェリンが小胞輸送により細胞壁へ供給される仮説が考えられる。 コニフェリンがリグニン重合に使われるためにはβ-グルコシダーゼ(BGL)によって糖が外される必要がある。系統樹解析により既知のコニフェリンBGLと相同性を持つポプラにおけるBGLを検索、有力な候補をPtrBGLCと名付けた。免疫沈降実験により作製した抗PtrBGLC抗体はコニフェリンBGLを認識することが明らかになった。免疫蛍光顕微鏡観察を行ったところ、ポプラ分化中木部の木化中および木化した二次壁に標識は見られた。コニフェリンBGLは二次壁に局在し、木化に関与している可能性が示唆された。これはコニフェリンが細胞壁へ輸送され、そこで糖が外されリグニン重合に用いられる仮説を支持する。コニフェリンBGLはロッジポールパイン仮道管、シロイヌナズナ維管束間繊維の二次壁に局在するという報告がある。 木化二次壁局在型コニフェリンBGLは進化の過程で保存されており、二次壁形成に重要な役割を果たしている可能性が考えられる。
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