Project/Area Number |
11J02630
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Sociology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木田 勇輔 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 都市政治 / 地方政治 / 都市レジーム / 地域住民組織 / 投票行動 / 名古屋市 / 自治体内分権 / 政治社会学 / 地域社会学 / 都市社会学 / 政治変動 |
Research Abstract |
本研究の最も大きな目的は、改革派市政として知られる名古屋市の河村市政への支持構造を明らかにすることにあった。本年度は昨年度に実施した質問紙調査の分析とその発表、および聞き取り調査の実施に力を注いだ。このうち昨年度に執筆していた論文2本については公刊され、さらに質問紙調査の結果をもとに国内での学会発表を2回行った。研究成果(論文)の概要は以下の通りである。 「都市の政治変動と地域住民組織のゆくえ―愛知県名古屋市を事例に」(『東海社会学会年報』第4号)では、名古屋市内の住民組織(学区連絡協議会)に質問紙調査を行い、これまでの資料収集や聞き取り調査を踏まえながら、現在の住民自治組織のリーダーは名古屋市が進めている地域委員会モデル地区事業にどのような態度を示しているのか(肯定的か、否定的か)、その規定要因は何なのかという点について定量的な分析を行った。 「現代大都市における改革派首長の支持構造―名古屋市における有権者の分析」(『日本都市社会学会年報』第30号)では、名古屋市有権者に対する質問紙調査のデータをもとに、現在の市長への支持を規定する要因は何なのかという点について定量的な分析を行った。 また、本年度は名古屋市政関係者への聞き取り調査を進め、現在はこのデータの整理を進めている。具体的には市議会議員経験者、地域諸団体リーダー(市レベルのトップリーダー層)、市民運動関係者、NPO・ボランティア団体関係者、政治関連団体関係者などである。このような聞き取り調査の結果、(1)河村市政ではこれまで市政の意思決定構造に深く食い込んでいた市議会を排除し、そのことが市政における対立構造を規定していること、(2)地域諸団体のトップリーダー層は地域委員会などの政策に反発しており、河村市政と地域諸団体の間には一定の緊張関係が継続していること、(3)草の根から河村市長を支援する動きもあり、こうした動きは市議会リコール活動につながっていったこと、(4)その一方で地域政党「減税日本」の立ち上げは、市議会リコール活動などを通じて形成された河村の支持基盤を掘り崩しかねないことなどが明らかになった。 その一方で聞き取り調査を進めていく中で、河村市政期の行財政運営は松原市政の運営方針の延長線上にあり、この点では河村の「改革」は行財政に対してというよりも、利益媒介的な市議会議員の意思決定への関与に対して向けられていることを明らかになった。この点は「改革派」首長が就任した他の地方自治体との比較を行う上で、名古屋市の際立った特徴となる可能性がある。こうした知見をもとに、今後も学会発表や論文投稿を引き続き行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
最終年度
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度
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