Project/Area Number |
11J02742
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Fundamental law
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 克彦 京都大学, 法学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 概念分析 / 規範的概念 / 道徳的個別主義 / ニーズ / ケイパブリティ・アプローチ / デイヴィッド・ウィギンズ / ジョナサン・ダンシー / 個別主義(パティキュラリズム) / 実践的推論 / 法的推論 |
Research Abstract |
(1)規範的コンテクストにおける概念分析の問題 法哲学の領域においては、規範的な概念の概念分析という手法はあまり馴染みがない。これはJ. RawlsやR. Dworkinが主張したconcept(概念)とconception(概念内容)という区別が法哲学で定着してしまったため、正義や権利などの曖昧な規範的概念に対しては、概念分析ではなく、それらの概念に対する諸構想を提案するという手法が広まったからである。しかしながら、規範的な概念に対しても概念分析の手法はなお有効であると考えており、英米圏の言語哲学の議論を参照しながら、規範的概念の概念分析の問題を考察した。 (2)J. Dancyの「道徳的個別主義」の議論と法哲学の議論への接続 個別の事例における道徳判断を重視し、一般的原理による独特判断を否定する「道徳的個別主義」と呼ばれる立場を提唱するDancyの議論に注目し、その背景や論争を探ることで、哲学/倫理学の議論から法哲学の議論への接続を図る。前述したように、現段階の私の考えとしては、Dancyの議論は演繹的なルール的思考を全面的に否定する懐疑論的な色彩が強いと考え、Dancyに強い影響を与えているD. WigginsやJ. McDowellの議論を参照しながら、Dancyの議論の修正を行う。その修正の後、や法哲学者のJoseph Razとの論争を踏まえながら、法哲学の問題との接続を図る。 (3)ニーズとcapablityアプローチの比較 前年度に考察したWigginsのニーズの概念の問題を更に深めるため、しばしばWigginsの議論と比較されるAmartya Senの提唱するケイパブリティ・アプローチをSabina Alkireなどの論者の議論を援用して、相違点を論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上述の問題群の文献をサーヴェイし、自分の中で議論を消化することができたが、前年度後半に体調不良に襲われたことから、研究報告や公刊論文などのアウトプットがほとんど出すことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
病状回復後、速やかに研究報告や公刊論文などのアウトプットを出し、また余裕があれば現在の研究から派生する他の問題(例えば、Wigginsが提唱する真理条件意味論の規範的コンテキストへの導入など)についても考察を進めていきたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)