Project/Area Number |
11J03060
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cultural property science
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
高橋 遼平 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ancient DNA / 家畜ブタ / リュウキュウイノシシ / mtDNA / D-loop / 動物考古学 / 琉球列島 / 先史時代 |
Research Abstract |
本研究では先史時代の琉球列島へ「いつ、どこに、どこから」イノシシもしくは家畜ブタ(Sus scrofa、以下イノシシ属と省略)が導入されていたのか解明するため、これまでに琉球列島や周辺地域の遺跡から出土したイノシシ属骨のancient DNA解析と形態解析を行ってきた。この結果、琉球列島に生息する野生のリュウキュウイノシシ(S.s.riukiuanus)とは形態・遺伝的に別系統と考えられる個体が沖縄島の野国貝塚群や宮古島のアラフ遺跡と長墓遺跡で確認された。本解析結果より、1)先史時代に琉球列島へ人類がイノシシ属を外部から導入していた、2)先史時代の琉球列島では複数系統の野生イノシシが混在していた、という2仮説が考えられた。これらの仮説の検証には、琉球列島の野生イノシシの起源を解明する必要がある。 そこで本年度は野生のリュウキュウイノシシ資料の数及び採取地域を増加させたDNA解析やシミュレーション推定を行った。全7島に生息するリュウキュウイノシシのうち6島由来の113個体を解析した結果、これらは全て遺伝的に近縁であり、遺跡資料で確認されたような他のイノシシ属系統と近縁な個体は現生集団からは検出されなかった。またシミュレーションによる推定の結果、複数のイノシシ系統が先史時代に生息していた可能性は極めて低い事が示された。これらの解析結果より琉球列島に生息する野生のリュウキュウイノシシは1つの祖先系統に由来すると考えられ、先史時代の琉球列島では人類によるイノシシ属の外部導入が既に生じていた可能性が高い事が示された。また、出土遺物の類似性や近隣諸地域のイノシシ属の遺伝的特徴との比較から、複数の導入経路が存在した事も推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究で充分に解析されてこなかった現生リュウキュウイノシシ資料のDNA解析を行う事で、先史時代の琉球列島にイノシシ属が導入されていた可能性をより高い精度で論じる事ができた。ただしリュウキュウイノシシの生息地域の1つである請島の資料に関しては2013年3月に資料を確保したため現在解析中である。本解析の終了後、結果を論文にまとめ投稿する。
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Strategy for Future Research Activity |
先史時代の琉球列島にイノシシ属が導入されていた可能性をより詳細に探るためには、遺跡資料解析数のさらなる蓄積が必要である。また先史時代のイノシシ属の導入・拡散経路をより細かく検討するためには、アジアのイノシシ属系統をさらに詳細に識別できるような生物系統地理学的研究が必要であり、今後は形態的特徴や複数のDNAマーカーを融合するような新たな手法を開発する。
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