Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
歩行機械はアクチュエータによりアシスト力を発生させる. これらは, 脚関節にかかる自重トルクを負担するためにエネルギ消費が高く連続運転時間に制限がかかる問題や, 大容量バッテリーやセンサを搭載することでコストがかかるなどの課題が存在する. そこで, 本研究では, 歩行時の上体重心の高さ変化に伴う位置エネルギ消費を回生して, 歩行時のアシスト力として利用する方法で, 長時間利用可能な歩行アシスト装置の実現を試みる. 研究は大きくわけて3個の課題と, それらの統合で大別される. 1つ目は, (A)脚関節補償原理・機構の自動化, 2つ目は, (B)傾斜面での脚関節補償原理の考案, 3つ目は, (C)動歩行時のエネルギーロスの回生である. 24年度は, (A)圧力センサ4つのみで, 歩行速度2m/s~6m/sまでアシスト力を歩行に連動可能なシステムを完成させ, 安価な電子部品のみでアシスト力の制御を可能とし, 装置全体の低価格化や軽量化に成功した. (B)については, 23年度に, ばね取付け角度とばね定数の2つのパラメータ調整で安定な平衡状態をリンク機構に構築する方法を示し, 24年度にパラメータチューニング法を検討した. これにより, 傾斜地でも自重補償効果低下を抑制可能な自重補償機構を設計可能とした. (C)については, 24年度に, 実験機を製作し, トレッドミル上でのアシストカの計測, 複数人の被験者での官能検査, および屋外, 階段などでの実証試験を行った. 約1.5kgの実験機を利用して, 実際に歩行時の上体重心の高さ変化から位置エネルギを圧縮空気として回生して, アシストカを連続的に発生可能なことを確認した. 電源を必要としない歩行補助であり, 様々な場面での応用が期待できる. 25年度は, 24年度に製作した実験機をもとに, さらに低慣性かつ高アシスト力となるパラメータの探索と, 階段や傾斜地でのアシスト力の調整について検討した. 結果, 歩行時のエネルギーロスを回生してアシスト力に利用することで, バッテリー容量の1.3倍以上のアシストエネルギーを得た. 例えば, 両足で約5kgの補助力を7700歩分発揮できる. 以上のように, 研究目的を達成し, 長時間利用可能な歩行アシスト装置を実現した.
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