ロバストネスの遺伝基盤と種内変異に関する研究-拡張した頭部予定領域の修復を例に-
Project/Area Number |
11J03510
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Evolutionary biology
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
田中 健太郎 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | キイロショウジョウバエ / 頑健性 / 細胞死 / 種内変異 |
Research Abstract |
温度変化などの環境的攪乱、遺伝的変異による内因的撹乱に曝されても、生物は比較的均一な表現型を生み出すことができる。その一例として、キイロショウジョウバエの胚発生において、bicoidのコピー数増加が原因で拡張した頭部予定領域を修復する機構がある。これまでreaperを上流とするカスパーゼ依存の細胞死が本機構で働くことが報告されていた。この修復機構について更に理解を深めるため、本研究では1)新たに同定したMabikiの機能解析、及び2)野外集団における本機構の変異調査の2点について研究を進めてきた。以降、それぞれについて研究実施状況を報告する。1)については、Mabikiが細胞死の正の制御因子であることが明らかになり、しかもreaperを上流とするカスパーゼ依存とは異なる経路によって細胞死を誘導していることが明らかになった。異なる2つの細胞死経路が発生学的な頑健性に寄与していることを明らかにできた意義は大きい。また、Mabikiは双翅目特有の遺伝子であることが分かり、Short germ band型の発生システムの進化的関連を解明することは今後の重要な課題となるだろう。2)については、これまで行ってきたゲノムワイドなスクリーニングの結果浮かび上がった候補遺伝子を軸に、変異系統の遺伝的変異の探索を行ってきた。これまでのところタンパクコード領域上に特筆すべき遺伝的変異はみつかっておらず、従って遺伝子発現領域上の変異である可能性が浮上した。しかしながら、スクリーニングのバイアスから未知の遺伝子上の変異である可能性も否定できない。今後、Mabikiの上流および下流遺伝子の解析により、本機構の全体像が明らかになれば野外由来の遺伝的変異の同定に関し、とれうるアプローチの幅が広がると期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)