Project/Area Number |
11J03904
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西村 裕一 九州大学, 大学院理学研究院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 鎮痛薬 / ORL1受容体 / アンタゴニスト / 受容体活性化 / 受容体不活性化 |
Research Abstract |
モルヒネは、強い副作用があるにもかかわらず、今なお末期ガンの鎮痛剤として使用されている。こうしたなか、モルヒネに代わる「夢の鎮痛薬」として、鎮痛受容体を介さない「バイパス鎮痛薬」が注目されている。申請者は、痛み増強に関与しているORL1受容体について研究している。本研究の目的は、ORL1受容体の活性化、不活性化の分子機構を明らかにし、今までに例のない強力なアンタゴニスト、スーパーアンタゴニストを「痛み伝達を遮断する」画期的な鎮痛薬として創り出すことである。 最終年度である本年度は、(i) ORL1受容体膜貫通ドメインのAla-スキャニング、(ii) ORL1受容体の新規パルミトイル化サイトの同定を行った。詳細について、下記に示す。 (i)これまでに、ORL1受容体の膜貫通ドメインおよび、ヘリックス8のAlaおよびGlyを除いた200残基についてのAla-スキャニングを実施していたが、今年度は、残りのループ、N末端、C末端についても解析を実施した。さらに、以前に発見した薬理学的分子シャペロンTrap-101を用いることによって、より詳細な解析を行った。こうして、総計315アミノ酸残基のAlaスキャニングが完了し、ORL1受容体の機能発現に必須な残基を網羅的に同定することに成功した。また、なぜそれらの残基が必須なのか、合目的な構造活性相関研究によって明らかにすることもできた。 (ii)パルミトイル化は、受容体のシグナル伝達において重要であることが知られているため、ORL1受容体のパルミトイル化サイトの同定を試みた。その結果、ORL1受容体には、4つのパルミトイル化Cys (2つは新規のサイト)があることが判明した。ORL1受容体が、パルミトイル化の状態によって下流のシグナルを調節していることが示唆され、ORL1受容体のシグナル伝達機構の解明にとって、価値のある発見となった。 以上の研究成果について、学会発表と投稿論文によって報告した。特別研究員の3年間において、GPCRのORL1受容体の活性化機構解明に成功し、本研究分野に大きな進展をもたらしたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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