Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
流体と壁面との間に生じる摩擦抵抗の低減手法についての研究を行った.流れが乱流へ遷移した状態では,流体の非定常性及び非線形に起因して渦運動が活発になるため,摩擦抵抗が著しく増加する.この抵抗の低減手法は省エネルギの観点からも工学的に重要であるため,幅広く研究が行われている.本研究では,最も簡単な系である平行平板問乱流において,センサを用いずに大きな制御効果を得ることができると知られている壁面からの進行波状制御入力に着目した. 壁面からの吹出し吸込みを進行波状に行う制御に関しては,低レイノルズ数乱流において,従来知られていたように上流方向進行波で摩擦抵抗低減,下流方向進行波で抵抗が増加することを確認し,またこの増減に関しては線形解析でのメカニズムを拡張できることが分かった.一方で,下流方向への進行波においてパラメータによっては乱流中の乱れが減少していき,層流化することも明らかになった.この場合,制御効率は最大となった. 本制御の実用化を見据え,外力や壁面変形を用いた制御についても検証を行った.外力に関しては浮力を用いた場合では制御効果が小さく摩擦を増加させる方向に働いた一方で,ローレンツカを模擬した外力制御では低減し,そのメカニズムは吹出し吸込みの場合と同様に説明できることが分かった. また,壁面変形に関しては数値シミュレーションと実験の両方を行った.数値シミュレーションに関しては,下流方向に進行させた場合に乱れが減少していく再層流化が見られ,これは吹出し吸込みの場合と傾向が一致した.一方,実験ではゴム膜を用いて進行波を発生させることで計算と同様に抵抗の低減が見られた.
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