胃がんにおけるmiRNAクラスターの発現制御機構とそのがん化との関連の解析
Project/Area Number |
11J04240
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
発がん
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
橋本 裕 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 胃がん / miRNA / DNAメチル化 / エピジェネティクス |
Research Abstract |
本プロジェクトでは、胃がんにおいて異常DNAメチル化により発現が低下している複数のmiRNAが、がん関連遺伝子発現制御を協力的に行っているかどうかを調べる事を目的とした研究を行った。解析の結果、dihydropyrimidinase-like 2(DPYSL2/CRMP2)遺伝子が胃がんで発現増加し、miR-224クラスター(miR-224/452)がDPYSL2を含めた複数の標的遺伝子の発現制御に関与している事がわかった。またmiR-224クラスターはDNAメチル化により発現低下することを明らかにした。さらに原発性胃がん組織においてmiR-224のメチル化はDPYSL2の発現増加に寄与し、DPYSL2は胃がんにおいて細胞増殖に関連するがん関連遺伝子である事を示した。一方、miR-340/181cも同様にDNAメチル化により発現低下し、協力的に複数の癌関連遺伝子の発現調節を行っていることを示した。また胃がん細胞の増殖抑制に関与する可能性も示した。以上より、エピジェネティックな発現制御を受けているmiRNAは協力的に標的遺伝子を発現調節している可能性が高く、胃がんにおいて、複数のmiRNA発現低下は癌関連遺伝子の発現増加に大きく影響する事が推測される。さらに、このようなmiRNAの発現調節機構の研究は胃がんの発症機構解明並びに、新規治療薬の開発にも役立つと考えられる。以上の内容は原著論文として2013年5月、国際学術誌PLoS Oneに掲載された。 また、昨年度はスペイン・ベルビッチェバイオメディカル研究所にてDr.Manel Estellerのグループと共同研究を行った。大腸がんにおいて異常脱メチル化により発現低下する長鎖非コードRNA(1ncRNA)を探索したところ、ヒトがんで発現異常が報告されているmiRNA(仮称:miR-Y)の発現と相関する1ncRNA(仮称:lnc-X)を見つけた。さらにlnc-Xは原発性ヒト大腸がん組織だけでなく、肝がん組織においても高頻度のがん特異的メチル化が検出された。これまでのところmiR-Yの発現は様々ながんで発現低下が報告されているものの、その発現調節機構については不明な点が多く、今後はmiR-Yの調節制御にlnc-Xが関与している事を明らかにするつもりである.
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)