ワイドギャップ半導体のナノ構造制御と光エネルギー変換デバイスへの応用
Project/Area Number |
11J04433
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials/Devices
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Research Institution | University of Yamanashi (2012) Keio University (2011) |
Principal Investigator |
上野 慎太郎 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 色素増感太陽電池 / 酸化亜鉛 / プラスチック太陽電池 / 蛍光体 / 低温合成 / 微細構造制御 / 形態制御 |
Research Abstract |
本研究課題においては,ワイドバンドギャップを持つ代表的な半導体材料である酸化亜鉛(ZnO)の微細構造制御をおこない,色素増感太陽電池(DSSC)電極及び蛍光体への応用を試みた. 1.DSSCに関する研究:DSSCの構成部材である透明導電性ガラスを安価なプラスチック基板で代替することを試みた.電極膜が高い色素吸着能を有し,電解液の効率的な拡散を促すためには,ナノボア,マクロボアの両方を導入するのが望ましいが,従来の方法でこうした構造膜の低温作製は困難であった.そこでマクロボアを有する水酸化酢酸亜鉛(LHZA)膜を60℃で基板上に予め作製し,これを(1)溶解・析出法,(2)熱分解法によって,それぞれ120℃以下で目的のナノ構造を持つZnO膜へと変換することに成功した.熱分解法を用いてプラスチック基板(ITO-PEN)上に作製した電極は,最高変換効率3.4%を記録した.また膜内のマクロボアは曲げによって発生する応力を緩和し,曲げによる電池性能劣化を抑えることが分かった.またドクターブレード法による製膜の後120℃で熱処理をおこなった膜は,ZnO系プラスチックDSSCの最高変換効率に並ぶ4.04%を記録した. 2.ZnO蛍光体に関する研究:種々の亜鉛塩水溶液にアンモニア水溶液を混合し60℃で保持することによって得られるZnO粒子は,近紫外光照射によって波長560~580nmを中心とするブロードな黄色の発光スペクトルを示す.これらのZnO粒子はマイクロサイズで星型の形態を持っており,それぞれの粒子はナノサイズの配向した微結晶からなることが分かった.合成されたZnO粒子の発光特性,光学バンドギャップは原料に用いる亜鉛塩の種類によって異なり,これらの光学特性変化は,結晶子サイズと相関性があることから,量子サイズ効果に起因することが示唆された.これは原料亜鉛水溶液中に含まれるカウンターアニオンがZnOの核生成・成長速度を決定する因子であるためで,アニオン比を調整することで光学特性のチューニングも可能であることを示した.
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)