中国・太湖流域における淡水生態系のモデリングと生物多様性保全策の提案
Project/Area Number |
11J04450
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Environmental impact assessment/Environmental policy
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 辰郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 中国 / 長江 / 太湖 / 東〓渓 / 生物多様性 / 淡水魚 / 河川環境評価 / 保全 / 東〓 渓 |
Research Abstract |
本研究の目的は、急速に経済発展の進んでいる中国・太湖流域の最大河川である東〓渓川において、生物多様性の保全に向けた具体的な保全・再生手法を提案することである.平成24年度は、主に中流域に注目し、魚類多様性の評価モデルを構築したほか、河川管理者が魚類の多様性を考慮した河川改修を行うための河川工学的検討を行った。 1)現地調査:東〓渓川中流域において魚類調査及び物理・化学環境調査を実施した(18地点).魚類調査および水深,流速,底質といった物理的環境要素のほか水質(DO,水温,電気伝導度,Chl-a,栄養塩類等)を測定した。加えて、洪水時の河道特性(無次元掃流力τ*と川幅水深比B_m/H_m等)も取得した。 2)魚類多様性評価のモデルの作成:東〓渓中流域において魚類群集と環境要因の関係を一般化線形モデルにより解析した。その結果、中流域の魚類の種数は、水質や植生の繁茂等の環境要因より河道内に存在するハビタットのモザイク性に強く依存することが分かった。 3)中流域の魚類多様性を確保する河道条件の検討:上記モデルより当該中流域の魚類多様性の保全に際してはハビタットの多様性が第一に重要ということが明らかとなったため、ハビタットが多様になる条件を河川工学のパラメータから検討した.瀬・淵等のハビタットの出現傾向は、無次元掃流力τ*と川幅水深比B_m/H_mの二次元平面上で概ね捉えることが出来た。早瀬と淵はτ*が0.05以上で,ワンドはB_m/H_mが60以上の地点で出現することが示された.また,ハビタットの多様性、B_m/H_m、および無次元砂州高(砂州の発達度)の間には有意な正の相関が認められ、川幅が広くなると、地形の起伏が大きくなり、その結果としてハビタットが多様になることが示唆された。また、堰等の影響で河床が粗粒化しτ*が小さくなると川幅が拡大してもハビタットは単調となることも明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東〓渓中流域において魚類多様性評価モデルが構築されたことに加え、生物多様性に配慮した河川管理に向けた工学的検討まで踏み込むことができ、提案する生物多様性保全策の具体性が非常に高まった。これは当初の計画以上に研究が進展したと考えられる。しかし、当初今年度に計画していた下流域の河岸の保全再生手法の検証については、日中間の政治的混乱(反日デモ)もあり、予定の調査・実証実験を行うことができなかった。このため、下流域の生物多様性保全方策がホットスポットの抽出と生物多様性評価モデルを基にしたものに留まり、中流域と比較すると具体性が若干低くなった。しかしながら、詳細にホットスポットが示されているほか、評価モデルから十分に具体的な内容で保全方策を提案することができるため、(2)の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2年間の研究を終え、本研究の目的である「中国・太湖流域の生物多様性保全に向けて、優先的に保全すべきホットスポットの抽出と,その具体的な保全・再生手法を提案・検証すること」の大部分は達成された.11.で述べたように下流域における運搬船の航走波特性の把握、保全再生手法の検証については不十分であったが、この方面の研究を進めるためには、より緊密に中国側研究者および現地政府と協力し、現地調査での安全の確保等を検討する必要がある。
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Report
(2 results)
Research Products
(29 results)