Project/Area Number |
11J04727
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
History of Europe and America
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊豆田 俊輔 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 東ドイツ / 文化同盟 / 知識人 / 文化政策 / ブレヒト / J.R.ベッヒャー / クレンペラー / ハーリヒ / DDR / ベッヒャー |
Research Abstract |
本研究は、旧東ドイツを対象とし、「知識人はいかなる形で体制へと組み込まれていたのか」という問題に焦点を当てたものである。知識人と国家権力の関係を明らかにするためには、様々なアプローチが考えられる。しかし、東ドイツが共産主義政党を中心に翼賛諸政党や大衆諸組織によって徹底的に組織化されつくした社会であったことを考慮に入れると、個人と国家機構を媒介していた組織が問題として浮かび上がってくる。すなわち、彼らは自発的結社として組織されえたのか、それとも大衆組織の一端となっていたのか、検証することが必要になってくる。 この問題を具体的に検証するため、本研究は「文化同盟」という組織に着目し議論を進めてゆく。本組織は共産主義で作家のベッヒャーによって1945年に設立された知識人の結社である。しかし冷戦のドイツでの顕在化にともなって、文化同盟に政治的圧力が高まり、さらには多数の市民の余暇団体が編入させられることになった。こうして本組織は東ドイツ最大の知識人の結社としてだけでなく、同時に大衆組織としての側面を併せ持つようになったのである。こうした経緯を踏まえると、文化同盟は、「自発的結社と大衆組織」という観点から東ドイツの知識人の問題を解明するのに格好の対象といえる。 この研究は、国家による動員のための大衆組織と自発的なアソシエーションの競合と協働という観点から、社会主義体制下の知識人を論じるものである。これは、権力と知識人の関係についての理解を深めるものであり、また旧社会主義国において、社会的な秩序がどのように生み出され、維持されていったのかを明らかにするという意義をもつものである。 報告者は本年度、研究成果を日本西洋史学会および日独共同大学院プロジェクト(日本学術振興会とドイツ研究振興協会の合同事業)で報告し、また研究ノートを発表している。本年度夏を目途に博士論文を提出する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
博士論文の提出が本年度中(2013年度)中に行われるため。
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Strategy for Future Research Activity |
博士論文の原形となっている口頭の報告や、既読の史資料を、可及的速やかに論文として書き出す。
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