Project/Area Number |
11J04756
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
芸術学・芸術史・芸術一般
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐藤 香里 早稲田大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | GHQ/SCAP / 日本占領 / 文化政策 / 文化財保護 / 日本占領期 / CIE / 美術記念物課 / 日本近代美術 / 日本美術 / 民主化 |
Research Abstract |
本年度は、GHQ/SCAPの文化政策の意義を、国立国会図書館憲政資料室所蔵GHQ/SCAP文書に基づきながら、明らかにすることを目指した。 特に本年は文化財保護政策を重点的に検討した。SCAP文書にある占領初期の文化財保護関係資料を抽出するとともに和訳した。アメリカが実に精密に、日本の文化財の情報を蒐集していたことが明確になった。SCAP資料を精査するのと合わせて、沖縄県立公文書館にても資料調査を行い、アメリカは国家として日本の文化財を保護しようとする意志が本当にあったのかを検討した。結果として、SCAPが日本の文化財保護政策を立てたのは、文化財保護そのものが目的ではなく、日本の文化財に関する知識を自国に移入するためだったと結論付けることができた。 占領政策によるきめ細やかな文化財の情報はそれではなんのために必要とされ、SCAPが情報調製したのか。それは、日本美術がアメリカに受容されていく際、必要不可欠であったからと考えられる。 これに基づき、更にスミソニアン・インスティテユートアーカイブス・オブ・アメリカン・アートで、SCAPの文化政策を担当した美術史家・シャーマン・E・リーの個人アーカイブの調査を行った。リーは、SCAPでの勤務から帰国後、東洋美術に特化したクリーブランド美術館の館長職を長年にわたって勤めた。彼の業績をたどりながら、日本美術がアメリカに受容されていった過程を検討した。この作業を現在も継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度、口頭発表を行い、論文化することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
日本美術がアメリカに受容されていった過程を、複数の美術史家、美術館に残る基礎資料に基づき検討したい。 アメリカが日本において美術に係る文化政策を行ったことは、結果として、日本美術のアメリカにおける受容に収斂される問題だと思われるからである。
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