クロキンバエにおける、味覚と嗅覚の情報統合と摂食行動調節機構の解明
Project/Area Number |
11J05137
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Animal physiology/Animal behavior
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
前田 徹 神戸大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | クロキンバエ / 嗅覚 / 味覚 / 情報統合 / 神経投射 |
Research Abstract |
私は昨年に引き続き、クロキンバエの味覚器である唇弁に存在するLL(Largest)型味覚感覚子から伸長する味覚感覚神経と副嗅覚器であるマキシラリーパルプに存在する嗅覚感覚子から伸長する嗅覚感覚神経を、それぞれ異なる蛍光色素で多重染色し脳を共焦点レーザー顕微鏡で観察することによってその神経の走行を調べた。その結果、これらの神経末端がクロキンバエ脳の味覚一次中枢である食堂下神経節において非常に近い位置に神経投射していることを突き止めた。つまりクロキンバエにおいて味覚情報と嗅覚情報は高次中枢を介さずに相互作用しているのではないかと考えられる。また、共焦点撮影によって得られた三次元的な画像データより脳内における味覚・嗅覚の一次神経モデルを作製した。これらのことは感覚器の一次神経レベルで異なる情報モダリティーの統合が行われている可能性を示唆しており、今までほとんど知られていなかった異種の情報統合の部位を詳細に突き止めるための大きな足掛かりとなる。また、マキシラリーパルプで受容される1-octen-3-ol臭のような食欲増進効果のある匂い物質が、ハエの味覚によって引き起こされる摂食行動を促進する体内メカニズムを解明するためにも重要な結果と言える。これらの問題を明らかにすることは、昆虫の体内機構の仕組みに関わっていくだけでなく私達ヒトの食欲や食文化、食嗜好等を解明していくためにも有意義な研究である。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)