Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2013: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
核力のアイソスピン(荷電)依存性を研究するという目的のもと、昨年度に引き続き、核子-核子散乱長の実測に向けた研究、原子核内におけるテンソル力の働きの解明を推進した。 前者の核子-核子散乱長の研究については、(3He, t), (t, 3He)反応機構の理解の向上を図るとともに、反応機構が単純な2H(n, p)反応測定を高分解能で行う可能性についても検討を行い、エネルギーをタグレた低エミッタンス中性子ビームの生成方法について議論した。 後者の原子核内におけるテンソル力の働きの解明については、大阪大学核物理研究センター(RCNP)において4He(p, dp)反応の実測を行うことで、核内における核子-核子相関を実験的に検証した。具体的には、昨年度おこなったテスト実験の成果に加え、入射陽子エネルギーを200,300MeVに変更して4He (p, dp)反応測定を行い、核内核子運動量領域の200から320MeV/cの広い範囲に渡って陽子-中性子ペアのスピン状態(S=1.0)がどのように実現しているのかを検証した。その結果、この領域の全域に渡ってS=1ペアのみが観測されるという結果が得られた。これは、原子核構造理論計算を踏まえた当初の予想と反するものであり、非常に興味深い。この結果を理解するために、4He原子核構造の観点、(p, dp)反応機構の観点の双方から理論研究者を交えて議論を深めた。 また、同時に今後のビーム強度の増強、バックグラウンドの低減を目的として、RCNPの磁気分析装置およびビームラインの改造計画を推進した。本年度は特に双極・四重極磁石について実際の使用を想定した磁場分布計算・粒子軌道計算を行い、計画の完成に貢献した。現在、当該装置の改造が進んでいる。
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