不定方程式におけるTerai予想とJesmanowicz予想
Project/Area Number |
11J05674
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Algebra
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
宮崎 隆史 首都大学東京, 理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 指数型ディオファントス方程式 / ピタゴラス数 / Baker理論 / Jesmanowicz予想 / Terai予想 |
Research Abstract |
まず始めに、Terai予想のケース(1)のP=q=r=2の場合(Jesmanowicz予想)について考察した。藤田育嗣氏(日本大学)との共同研究で、Jesmanowicz予想を三つ組みa,b,cがある合同条件を満たす場合に証明した。それは申請者の以前の研究結果と関連するものであり、その場合とは異なるペル方程式を扱うものであり興味深い。Pingzhi Yuan氏(華南師範大学)との共同研究では、申請者の以前の研究結果を大幅に拡張することが出来た。両氏とは継続して共同研究を行っている。 次に、Terai予想のケース(1)の一般的な場合について考察した。最近、Florian Luca氏(メキシコ自治国立大学モレリア数学研究所)が、以前の研究の多くを(本質的に)一般化する結果を与えた。その手法は、Baker理論とそのp進版の理論が有効に用いられていた。しかし、その結果は、不完全な点があり、申請者はその部分を補う計算を行なった。また、氏の手法をケース(2)の場合に上手く適用可能な場合を見つけ同様の結果を得た。さらなる結果を得るために氏と意見交換を行っている。 さらに、申請者はTerai予想の類似問題を提起した。それは、"2以上の自然数p,q,rに対して、a^p+b^q=c^rを満たすa,b,cに対して、指数型ディオファントス方程式c^x+b^y=a^zは、q=r=2かつc=b+1のときに限り自然数解x,y,zを持ち、そのときにただ一つの自然数解(x,y,z)=(1,1,p)を持つ"である。申請者は、Terai予想で扱われている三つ組みa,b,cについて考察を行い、Baker理論とそのp進版の理論を用いて、いくつかの場合に予想は成立することを証明した。特に、後半の主張である"解の一意性"を証明した。 最後に、Terai予想では扱われない三つ組みについても研究結果を得た。まず、Alain Togbe氏(Purdue大学)との共同研究を行い、氏の以前の連続整数に関する研究を広く拡張することが出来た。また、申請者は、三つ組みがある線形回帰数列の項として与えられる場合に方程式の解を決定した。それによって寺井伸浩氏(足利工業大学)によって提起されたフィボナッチ数列に関する予想を解決した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
主課題であるTerai予想およびJesmanowicz予想の研究は、計画以上に進展している。さらに、別の課題に対しても多くの研究結果を得ることが出来た。加えて、国外を問わず一流の研究者達との共同研究をする機会を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
より一般の指数型ディオファントス方程式を扱うための理論的道具を構築することを目指す。申請者の開発した代数的な手法と、Chabautyメソッド等の代数的手法とも組み合わせて、また一方では部分空間定理などのディオファントス近似を応用した「Exponential-Polynomial型方程式」という最近進展の著しい分野の手法も適用し、解空間の構造をより深く明らかにする道具を、今こそぜひとも構築したい。その為には、Schmidtの部分空間定理および一般型単数方程式の理論を考究する必要がある。それらの道具を用いて、回帰数列のmultiplicity問題や単数方程式の解の個数によるクラス分けを行いたい。また、Fermatの方程式を扱うために強力な道具となるいわゆるmodular approachを習得し、Tijdeman-Zagier予想の解決に取り組み、累乗数の和構造を解き明かすことを目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)