Project/Area Number |
11J05780
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Electron device/Electronic equipment
|
Research Institution | University of Toyama (2012) Waseda University (2011) |
Principal Investigator |
堀 匡寛 富山大学, 理工学研究部(工学), 助教
|
Project Period (FY) |
2011 – 2012
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
|
Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 単一ドーパント制御 / シングルイオン注入 / シリコン半導体 / ナノデバイス / ナノエレクトロニクス / 物性制御 / シングルドーパントデバイス / 不純物原子 / 半導体 / シリコン / シングルイオン注入法 / 不純物揺らぎ / 単一不純物原子 |
Research Abstract |
トランジスタ中の1個もしくは、少数個の不純物(ドーパント)原子を電子輸送の基軸として利用する新原理デバイス(シングルドーパントデバイス)を創製するために、本年度は、デバイスの作製とその基本動作の理解を目的とした。 Silicon-on-insulator(SOI)ウェハ上に作製したトランジスタのチャネル領域に、シングルイオン注入法を用いてヒ素(As)原子の位置と個数を制御して注入した。チャネル長方向に沿って、ヒ素原子を2個、4個、6個といったように、チャネル中に少数のドーパント原子を含むトランジスタを試作した。そして、その電流電圧特性を4,2Kの低温下で評価した。 2個のヒ素原子を有するデバイスでは、しきい値電圧以下において局所的な電流ピークが観察された。 これは、クーロンブロッケイドとトンネリングに由来する特性であり、電子がドナー準位を介して量子輸送されたことを示している。また、その電流ピークの数は、注入イオン個数と一致しており、シングルイオン注入法の高い個数制御性を裏付けた。6個のヒ素原子を有するデバイスでは、広がりを持つ電流ピークが観察された。これは、隣接したドナー原子の波動関数の重なりを考慮したHubbardモデルでよく説明できる。4個のヒ素原子を有するデバイスでは、温度の変化に依存して局所的なピークと非局所的なピークの両方が観測された。以上のように、注入イオンの個数を制御してドナー原子の離散的状態から連続的状態を実現し、それぞれの電子輸送特性を明らかにした。また、それぞれのデバイスにおいて、イオン注入前では上述のような電流ピーク特性が観測されなかったことから、得られた電流ピーク特性は注入されたヒ素イオンのドナー準位を介した電子輸送であることを実験的に裏付けた。 これらの結果は、ヒ素原子の位置と個数がシングルドーパントデバイスの電子輸送特性を決定する重要な要素であることを示しており、新原理デバイス開発のための設計指針として貢献する。
|