Si・Ge量子細線の構造制御と電気伝導に係る物性解明およびMOSFETへの応用
Project/Area Number |
11J05847
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森岡 直也 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 量子細線 / 半導体 / バンド構造 / MOSFET / サブバンド / 量子閉じ込め効果 / シリコン(Si) / シリコンナノワイヤ / 表面ラフネス / 水素アニール / 表面拡散 / 表面構造制御 / HC1ガスエッチング |
Research Abstract |
大規模集積回路(LSI)における顕著な素子微細化に伴い、Si MOSFETの短チャネル効果が問題となっている。これに対し、断面寸法が数~十数nmのSi細線をチャネルに用いるSi細線MOSFETが短チャネル効果を抑制できるため注目されている。Si細線では、量子閉じ込め効果によりエネルギーバンド構造がサブバンドに分裂し、電子状態がバルクとは大きく異なる。このため、量子閉じ込め効果がキャリヤ輸送に与える影響の詳細な理解が求められている。 本研究では、直径7.5nmのSi細線MOSFETをsilicon-on-insulator (SOI)基板上に作製した。Si細線の表面・形状は水素アニールにより平滑化した。ソース・ドレインにn^+・p^+領域の両方を形成してn・pチャネル動作の両方を可能とし、同一の細線内の電子輸送および正孔輸送の両方を観測した。低温(8K)において、作製したMOSFETの相互コンダクタンス(gm)がゲート電圧に対して振動し、その周期はnチャネルとpチャネルで異なった。Si細線MOSFETの9m振動現象は過去にも報告され、細線内の状態密度振動に起因した移動度振動によるモデルが提案されているが、検証が不十分だった。本研究では、透過型電子顕微鏡観察により得た細線の断面形状を計算機上で再現し、伝導特性を実測したSi細線の伝導帯・価電子帯構造を強束縛近似法により計算した。計算結果を用いてキャリヤの散乱頻度が状態密度に比例すると仮定してgmの振動を予測し、実験結果と比較すると、n・pチャネル両方で振動周期が計算と実験でよく一致した。この結果は、状態密度振動に起因したgm振動モデルを強く支持する。本振動はサブバンド構造と対応しているため、今後更に詳細な理論的解析と組み合わせることにより、輸送特性とサブバンド構造の関係性の詳細な研究において重要な役割を担うと期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)