放電プラズマを用いたディーゼル排ガス後処理技術の開発
Project/Area Number |
11J07574
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Environmental technology/Environmental materials
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Research Fellow |
林 秀明 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 大気圧放電プラズマ / ディーゼル排気後処理 / 電気集塵装置 / DPF再生 / スライド放電 / アンモニア合成 / ガイシ保護 / 熱泳動現象 / ディーゼル微粒子 / 電気集塵機 / ガイシ / 熱泳動 |
Research Abstract |
本研究のディーゼル排気粒子(以後PMと記す)捕集方法は電気集塵装置とDPFを併用する。そのため、堆積したPMを除去するためのDPF再生処理が必要となる。一般的なDPFの再生方法では約600℃以上という高温が必要であり、DPFの溶損、エンジン始動時やエンジンブレーキ作動時の低温再生に問題がる。また、高温雰囲気下で再生処理を行う際にはPMは自己燃焼する可能性が有り、DPFの破損に繋がる。よって、低温で再生可能な方法が求められている。本研究ではスライド放電を応用することでDPF内に低温プラズマを発生させ、酸化力の強いOラジカルを酸化処理対象のPM近傍で発生させ、低温でのDPFの再生を試みた。その結果、室温においてもPMの酸化が確認された。また、本年度においてはPMの酸化に寄与する酸化活性種の生成を促進することを目的に、プラズマ生成時の雰囲気ガス成分に着目し、酸素濃度を高くすること、あるいはオゾンを添加することで、さらに高効率のDPF再生技術を確立することに成功した。本方法により得られた効率は従来法と比較し同程度ではあるが、DPFを破損させることなく再生することが可能であることから、従来法の欠点を克服した新たな方法に成り得ると言える。また、充填層放電を用いることで、低温大気圧条件下でNOx処理用のアンモニアの生成を試みた。アンモニアの原料ガスである窒素と水素を充填層放電場に導入することで、原料ガスが解離し、新たにNH_3を合成することに成功した。また、印加電圧条件やガス対流条件の最適化、強誘電体ペレットを用いた評価試験を実施した結果、本研究で最も高いアンモニア生成効率は0.49g/kWhであった。この生成効率は実用化を考えた場合にはまだ低い値であると言えるが、今後は触媒やアンモニア吸着剤を利用した効率的な生成及び生成されたアンモニアの使用方法を検討することで、車上における新たなアンモニア生成方法に成り得ると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画で記載していたマイクロ波を用いたPM除去方法については検討していないが、その代わりに高耐性ガイシの開発や高効率なDPF再生技術を開発したことで、マイクロ波を用いた場合より効率的で省スペース化に繋がる結果が得られた。また、NOx処理対策にも従事し、有意義な結果を得ることが出来た。ただし、現状として実用化に向け克服すべき課題を有していることから、自己評価は(2)とする。
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Strategy for Future Research Activity |
プラズマを用いたディーゼル排気ガス後処理技術を開発するにあたり、車載可能な自動車排気ガス処理用電気集塵装置を実用化するためには、ガイシの耐久性をさらに向上させ、使用するスペースをさらに抑える必要がある。 よって、本研究で得られた結果を基に、支持ガイシに熱泳動が発生する空間を設けることが望ましいと考えられる。 また、耐久時間を長くするために、温度勾配がさらに発生するための冷却フィンを設置するなどの対応策が考えられる。また、本研究により充填層放電を用いることでNOx処理用のアンモニアを生成することが可能であることが示されたが、実用化を考慮した場合には効率を向上させる必要があり、充填層放電に充填している誘電体ペレットに触媒を担持させることで、効率を向上させることが可能であると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)