炎症による血液脳関門の破綻を転機としたCARASIL病態発症機序の解析
Project/Area Number |
11J07794
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neurology
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
加藤 泰介 新潟大学, 脳研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2013: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | HtrA1 / CARASIL / 脳小血管 / TGFβ / 血液脳関門 |
Research Abstract |
High temperature requirement A1 (HTRA1)は遺伝性脳小血管病の一つであるCARASILの原因遺伝子であり、HtrA1遺伝子変異によるプロテアーゼ機能喪失/低下がこの疾患の発症原因であることが推測されている(N Eng J Med 2009)。本研究は、HTRA1機能喪失により実際にin vivoにてCARASIL病態が再現されうるかを中心に解析を進めてきた。さらに、CARASILの病態背景にはプロテアーゼであるHTRA1の基質であるTransforming growth factorβ (TGFβ)ファミリーのシグナル亢進が強く関与することが示唆されている。この仮説を検証するために、HTRA1機能喪失時に想定されるアストロサイトからのTGFβの分泌亢進を模倣するTGFβ1トランスジェニックマウス(TGFβ1-Tg)を用いてTGFβシグナル亢進がCARASIL病態を引き起こすかの検証を進めた。 解析の結果、HtrA1ノックアウトマウス(HtrA1-KOマウス)は、加齢依存的に血管平滑筋細胞の変性、軟膜下血管腔の拡大、さらに脳毛細血管における周皮細胞の変性を示すことが明らかとなった。また、同様の解析をTGFβ1-Tgで進めた結果、HtrAl-KOマウスと同様のCARASIL類似の血管平滑筋細胞、周皮細胞の変性を加齢依存的に示すことが明らかとなった。 以上の解析結果により、HtrA1の機能喪失が、実際に生体においてCARASIL病態を再現することが明らかとなり、HtrA1-KOマウスが有用な脳小血管病モデルであることが示された。またTGFβ1-Tgの結果から、CARASIL病態にはTGFβファミリーシグナルが関与することが強く示唆され、これらの結果は脳小血管病の分子メカニズムの解明に大きく寄与するものであると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)