インドの教育制度における『影の制度』に関する研究-無認可学校の機能と役割の検討
Project/Area Number |
11J07898
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Sociology of education
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Research Institution | Waseda University |
Research Fellow |
伊藤 優貴 (小原 優貴) 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 特別研究員PD
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2013: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | インド / 高等教育 / 無認可大学 / 比較教育学 / 教育の私事化 / 教育の国際化 |
Research Abstract |
最終年度となる本年度は、『影の制度』の概念整理と、これまでの研究成果の発表に努めた。『影の制度』の概念整理にあたっては、Srivastavaの『影の規則枠組み』を参考にした。その成果は、研究課題の構想の基礎となった博士論文をまとめた著書「インドの無認可学校研究―公教育を支える『影の制度』」にて発表した。ここでは、「影の制度」とは、無認可学校とそこに関わる各行為主体、および各行為主体が無認可学校の存続・発展のために用いる非公式の規則や手続きの総体であり、インドの公教育制度の矛盾や欠陥を反映しながらもこれを支える制度であると説明した。 また、正規の大学の認可条件と高等教育機関を管轄する各種法定機関について分析し、無認可の教育機関が土地の敷地面積や生徒数等の認可条件を満たしていないこと、各種法定機関がその役割を果たしていないことを明らかにした。そしてその成果を、京都大学地域研究統合情報センター「相関地域研究」プロジェクト研究会、平成25年度「現代インド地域研究」国内全体集会等で発表し、研究課題を今後さらに発展させる上で有益な助言を得た。 このほか、インドの高等教育に関する書籍"Timepass"の翻訳作業(明石書店より出版予定)を通じて、インドの高等教育における『影の制度』の事例を検討した。また、大学に関する事典作成作業(『大学を知る事典』平凡社より出版予定)を通じて、インドの認可大学の現状について理解を深めた。 以上の成果は、インドの無認可の教育機関の実態や位置づけ、これらが存続・発展する背景やメカニズムを解明・説明する上で重要である。とりわけ、『影の制度』という概念を提唱できたことは、公教育制度とは異なる論理で展開するインドの非公式の制度の影響力を説明する上で大きな意義があったと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査や文献・資料分析を通じて、インドの無認可の教育機関の実態や位置づけ、これらが存続・発展する背景やメカニズムを解明し、これを説明する上で重要な『影の制度』という概念を整理し、その意義や役割を提唱できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
特別研究員としての研究活動は本年度で最後となるが、引き続き、インドの教育における『影の制度』の分析を進め、関連学会等でその成果発表に努める。
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Report
(3 results)
Research Products
(21 results)