Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本研究は,人類進化解明のため,進化を考えるうえで重要だといわれるタンザニアの乾燥疎開林に生息するチンパンジーの生態に着目し,生息決定要因の解明を目的としている。特に食物・泊まり場に注目している。本年の主な研究実地としては,泊り場の傾向について論文を出し,かつ現地調査をおこなうとともに,チンパンジーの採食生態に関しては学会発表をした。タンザニア西部の乾燥疎開林地帯では,研究対象のチンパンジーが人慣れしていないため,彼らを直接観察することは容易ではない。そこで自動撮影カメラを用いて,本テーマの採食や泊まり場の解明に役立つように,調査をおこなった。結果,これまで音声だけでは不明であったエリアにチンパンジーの存在が確認でき,同時期に異なった川辺林での泊まり場の利用が確認できた。チンパンジーの顔・体が撮影できた個体は,動画から性別・成熟・未成熟の識別が可能であり頭数の確認ができた。またチンパンジーがよく採食する果実木にカメラを設置した。8種の哺乳類が撮影された。ヒヒ(Papio cynocephalus/Papio anubis)は群れで複数回訪れていた。疎開林地帯という限られた果実量しかない環境下で,ヒヒはチンパンジーと,特に採食物に関して競合があり,影響力は大きいかもしれない。これらの研究については,SAGA(Support for African/Asian Great Apes)にて発表した。またチンパンジーの採食品目数とその特徴の分析をおこなった。その結果,中でもアフリカショウガは長期間にわたり,高頻度で出現した。また,いずれの季節も果実をもっともよく採食していた。今後,種子の量と果肉量との関係を明らかにすることで,何がより重要な食性になっているかさらに明らかになってくるだろう。この採食分析に関しては霊長類学会にて発表し,現在投稿執筆をおこなっている。
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