Project/Area Number |
11J08099
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cultural anthropology/Folklore
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中空 萌 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 文化人類学 / 民族誌 / 科学技術社会論 / 知識社会学 / 環境社会学 / インド / 知的所有権 / 生物多様性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、近年の製薬会社の民俗的知識への注目を背景に、そうした知識を分類、文書化し、その所有権の所在を明確化しようとする、多層的なインド「国家」アクターの試みに焦点を当て、「知識はどのようにして"誰かのもの"になるのか」という問いを経験的に追究することである。当該年度は、前年度に引き続きインドでの長期調査のデータをもとにした対外的な成果発表に集中したが、近年中の博士論文提出を見据え、前年度のように単なる調査データの整理にとどまらず、個々の発表をより幅広い理論的・方法論的文脈に位置づけることを目指した。例えば、6月に開かれた第46回日本文化人類学会における口頭発表、12月に『社会人類学年報』に掲載された論文においては、インドの伝統医療データベース化プロジェクトに関わる科学者たちが、ポストコロニアリズム等人文・社会科学的概念を理念として用いていることを事例として、人類学的知識が既に織り込まれた現実を人類学者が再度観察し、分析するという現代的なフィールドの状況とそうした状況を記述するための新しい民族誌的方法について論じた。また、7月の南アジア研究集会における口頭発表では、現代インドの生物資源と知的所有権、利益配分をめぐる国内的文脈において、「知識の所有」ではなく「慈悲」の論理が強調されることに焦点を当て、文化人類学における純粋贈与論を再検討した。さらに、10月にコペンハーゲンで開かれたEnvironmental Infrastructure WorkshopおよびSociety for Social Studies of Science(4S、科学技術社会論の国際学会)の年次大会では、同じくインドの伝統医療データベース化プロジェクトを事例としながら、伝統医療、植物分類学、生化学など異なる知識体系間の翻訳に付随する共約可能性という理論的課題について考察した。
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