Project/Area Number |
11J08180
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied veterinary science
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
井村 貴之 日本大学, 獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | Plasmodium gallinaceum / 培養 / 継代 / ゲノム / 遺伝子導入 / Leucocytozoon / アピコプラスト / PBGS / ヘム合成系 / ワクチン |
Research Abstract |
本年度は原虫遺伝子の転写解析および遺伝子導入法を検討するために、鳥マラリア原虫(Plasmodium gallinaceum)のin vitro培養法、継代維持法を検討した。 はじめに、P. gallinaceumを感染させたニワトリの血液を用いて、赤内型および赤外型虫体のin vitro培養条件を検討した。赤内型虫体の培養はヒトのマラリア原虫と同様の複数の条件下で行い、培養後3日目までは原虫の生存性が顕微鏡下で観察できたが、4日目以後に生存する原虫数は顕著に減少した。赤外型虫体の培養は、原虫の宿主細胞となる鶏胚繊維芽細胞(CEF)を継代培養し、原虫の細胞への侵入と増殖の様子を確認し、安定した赤外型虫体の継代維持法を確立する予定である。 次いで発育鶏卵を用いた原虫の培養条件を検討した。10日齢の発育鶏卵の漿尿膜腔、羊膜腔および静脈内に原虫感染血液を接種後7日目に鶏胚の感染状態を確認した。その結果、漿尿膜腔および羊膜腔では原虫の発育は認められなかったが、静脈内に接種後は発育が認められ、赤血球における原虫寄生率は70~99%であった。原虫が発育した鶏胚から採取した血液を、10日齢の発育鶏卵の静脈内に再度接種したところ、接種後7日目には原虫の発育が認められ、血液ステージの原虫を継代培養が可能であることが示唆された。さらに、上記培養法で維持された原虫の発育環を完成させるために、ベクター(蚊)を介した原虫維持法を検討した。用意した17日齢鶏卵の気室部卵殻を除去し、卵殻膜を介して蚊が吸血できる環境を整えたところ、複数の蚊が鶏卵を吸血していた。今後は原虫に感染した17日齢鶏卵を用いて蚊に吸血させ、蚊体内での原虫の発育および鶏卵への感染能の有無を検討することが可能となるだろう。さらに、培養した原虫へ遺伝子を導入するためには、各発育ステージの原虫を分離精製する必要がある。鶏卵培養で得られた原虫感染血液を用いて密度勾配遠心を行い、シゾント期の虫体を40%含む分画を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度までに原虫の分離精製に成功し、原虫継代維持に必須となる手法を確立したが、発育鶏卵を用いた培養系は予想以上に手技の習熟に時間を要した。また、長期間原虫を維持するin vitro培養条件の検討にも時間を要し、予定期間中に手法を確立することができなかった。先行研究の詳細な検証が不足していたことと、培養手法が確立している近縁な原虫種との比較が不十分であったことが原因と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度確立した発育鶏卵を用いた原虫培養および維持方法を用いて、ベクター(蚊)も用いて原虫の発育環を完成させる。さらに、in vitro培養系の確立のために、可能な限り培養条件の組み合わせを検討する。そして遺伝子導入実験系を確立するために、プロモーター、ターミネーターおよびレポーター遺伝子を組み込んだコンストラクトを作製し、発現効率の良いプロモーター遺伝子の選定とクローニングを実施する。これらの実験系は所属研究室が引き続き継続して検討する予定である。
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