その場全反射赤外分光法による燃料電池電極反応の解析
Project/Area Number |
11J08254
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Environmental chemistry
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Research Institution | University of Yamanashi |
Research Fellow |
花輪 洋宇 山梨大学, 大学院・医学工学総合教育部, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 燃料電池 / 赤外分光法 / 特異吸着 / 電極反応 / Nafion / 水 |
Research Abstract |
燃料電池自動車や家庭用電源としての利用が期待されている固体高分子形燃料電池(PEFC)の実用・普及化に向けた課題の一つとして、カソードに用いられる電極触媒の一層の性能及び有効性の向上が挙げられる。カソードで生じる酸素還元反応(ORR)のメカニズムを理解するためには、電極/電解質界面における吸着種の同定が重要である。しかし、多くの研究は単結晶電極における反応中間体の観察にとどまっており、実用電極触媒上での報告例はない。そこで、本研究では、電極には実用電極であるカーボン担体上にPtまたはPtCo合金を担持したPt/C,Pt_3Co/C触媒を、電解質にはパーフルオロスルホン酸電解質であるNafionを用い、赤外分光法を用いて界面のその場解析を実施した。初めに、実用電極触媒での測定を可能とする新たなATR-FTIRASシステムを開発した。このシステムは、燃料電池の実作動を模擬した気相条件でのその場測定を可能にし、それまで実施されてきたような電解液を必要としないため、電解液由来の対イオンの吸着による影響を取り除くことを可能にした。また、ATR-GeプリズムとSi板を併用することで、Nafionに由来する振動バンドが観察される1000cm^<-1>以下の低波数領域の高S/N比での測定を可能にした。このシステムを使用し、Nafion-Pt/C及びPt_3Co/C界面のその場観察を実施したところ、Pt上の吸着水や、プロトンに配位した水分子、Nafionに由来するスルホン酸基やエーテル基といった振動バンドが明確に観察された。その結果、ガス層における実用電極触媒上でのスルホン酸基の特異吸着現象を赤外分光の観点から初めて証明することができた。また、Pt/CよりもPt_3Co/Cの方が低電位からスルホン酸基が吸着すること、そして、電位変化に伴いスルホン酸基を末端に有する側鎖が電極表面上に傾いて吸着する様子も併せて説明した。本研究で得られた知見は、燃料電池の電極触媒の設計、開発に大きく貢献することが期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)