エマルション界面膜を用いた新規な温度応答性粘度材料の創製
Project/Area Number |
11J08379
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials chemistry
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
伊村 くらら 東京理科大学, 総合化学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 両親媒性化合物 / ミセル / 粘弾性 / エマルション / ゲル / 刺激応答材料 / 可溶化 / 界面活性剤 / 刺激応答 / 温度応答 / 粘度 |
Research Abstract |
合成して得た両親媒性化合物C18AAは、親水部のアミド基が分子間で水素結合することで、水中で直線的に伸長したミセルを形成した。さらに、C18AAミセルは、温度の上昇によって一部の分子間水素結が分断され、ミセル形態が紐状へと変化することが明らかとなった。そこでこの特異な分子間水素結合転移に着目し、ミセルパリセード層へ浸透するトルエンなどの一部の油性物質を可溶化し、同様の粘弾性制御を試みた。トルエンやクロロホルムなどの油性物質の可溶化にともない、ミセル同士の絡み合いが急激に増して溶液の粘弾性が著しく上昇した。FT-IRスペクトルの解析結果から、C18AAミセル中の分子間水素結合状態が可溶化分子の影響を受けて転移していたことが示された。紐状ミセルへの転移を、熱や添加物などの影響により分子間水素結合の変化から制御することに成功した。 C18AA水溶液に油性物質をさらに添加して油水二相系とすることで、本課題の目的であるエマルションを用いたゲルネットワークの構築を試みた。水/C18AA/トルエン(トルエン相比55%)の水中油滴型エマルションでは、温度上昇により系の粘度が上昇することを見出した。添加物として電解質を加えていない系では、分子間水素結合転移の温度域で緩やかな粘度の上昇が起こり、連続相(水中)に存在するC18AAミセルの形態転移による粘度転移であると推測した。一方で、塩化リチウムなどの塩溶性の電解質を添加すると、ある特定の温度で系の粘度が急激に上昇し、ゾル状態からゲル状態へと転移した。C18AA濃度に依存してエマルションの粘度転移温度が変化したことから、連続相中のミセルの形態転移によるものとは異なった現象であると考えられた。C18AAの油水分配率をもとめたところ、塩化リチウムの添加は、連続相中のC18AAミセルが温度によって延伸する効果をもたらすことが明らかとなった。これにより、エマルション油滴と伸長したミセルが三次元のゲルネットワークを形成したと考えられる。エマルション界面膜との複合化を達成することで、水一相系では得られなかった応答温度を自在に制御する方法を確立できた。
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Report
(2 results)
Research Products
(25 results)