家庭環境に関する認識が糖尿病患者のセルフケアおよび精神的健康に及ぼす影響
Project/Area Number |
11J08705
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Social psychology
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
東海林 渉 東北大学, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2011 – 2012
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
|
Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 糖尿病 / 食事療法 / ソーシャルサポート / 家族システム / 家族看護 / 家庭環境 / 成人患者 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)糖尿病患者が食事療法において家庭環境(夫婦の取り組み)をどのように認識しているか評価するためのツールを作成し、夫婦の取り組みを類型化すること、(2)ならびに各類型の血糖コントロールや精神的健康を比較することであった。本年度は、初年度の成果を踏まえて以下の二つの研究を行った。 研究成果の具体的内容: 研究1:食事に関する問題の認識の程度と問題の維持メカニズムの検討 糖尿病患者131名、配偶者122名を対象に行った質的調査の分析を行った。その結果、糖尿病者の46.6%、配偶者の51.6%が食事について何らかの問題を認識しており、夫婦間の食事に関する問題の多くが、「好み」「健康」「手間」の3つの要因の競合により引き起こされている可能性が示唆された。 研究2:評価ツールの作成および各類型の血糖コントロール/精神的健康の検討 2型糖尿病患者(n=197)と配偶者(n=169)を対象に質問紙調査を行い、夫婦の取り組みを評価するツールを構成した。その後の分析から、夫婦の取り組みは「団結」「纏綿」「遊離」「無関心」の4類型に分類できた。各類型の特徴を比較すると、「団結」のHbAlc値が最も低かった。また、他の類型に比べて患者が感じる食事療法の辛さや抑うつが低く、配偶者の結婚満足度は高かった。 本年度の研究の意義および重要性: 夫婦の協力関係と心身の健康とが関連するとした本研究の知見は、今後、糖尿病患者を対象とした夫婦関係・家族関係についての研究を進める上で基礎的な資料になると思われる。また、本研究で開発した評価ツールは、今後のこの分野の研究や臨床実践の発展につながることが期待される。さらに、本研究で新たに同定された「無関心」の一群は、先行研究では調査の対象にならなかった集団であると思われ、それを同定できた点は学術的にも臨床的にも意義のあることと考えられる.
|
Report
(2 results)
Research Products
(6 results)