「信」と世界認識に関する理論的研究-現実と虚構の概念を巡って-
Project/Area Number |
11J09004
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Religious studies
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
谷内 悠 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2011: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 現実/虚構 / 「信」 / 分析哲学 / 概念図式 / 認知宗教学 / 認知科学 / 「概念図式」 |
Research Abstract |
本研究は、人間がどのように世界を認識しているか、とりわけ現実と虚構の捉え方を明らかにし、それを支える「信」についての理解を深めることを目的としている。そのため、これまでは隔し0.クワインの「概念図式」の概念を元に「二重の概念図式理論」というものを構築してきた。平成24年度は、研究実施計画通り分析哲学と認知宗教学の両面から、当該理論の整備を進め、応用も行うことができた。 分析哲学では、ウィトゲンシュタインの「言語ゲーム」や「世界像」、グッドマンの「ヴァージョン」 や「習慣の『守り』」についての知見をクワインの「概念図式」と比較検討し、概念図式とメタ概念図式の二重構造についての理論を充実させた。それによりウィトゲンシュタイニアン・フィデイズムが陥っている概念相対主義を乗り越える議論を行ったことに価値があると考える。 さらにこの理論は、「宗教と科学」という一大問題、そして「合理性」概念にもかかわる。そこで、現代においては「科学の概念図式に強い影響を受けたメタ概念図式」が基底に存在することを示し、その状況下での科学的合理性と科学風のものに対する「信」を明確に分離することを試みた。その際、認知宗教学的知見-認知心理学・進化心理学・ミーム論など-を用い、科学風のものに対する「信」は非合理的ではあるが生物学的に妥当性もあること、しかしその議論には限界もあることを論じた。 これらのことは日本宗教学会第71回学術大会及び宗教史研究会にて発表した。後者の発表を元にした論考は久保田浩・江川純一編『宗教史学論叢第19巻-「呪術」の呪縛-』(仮題)リトン社(2014年刊行予定)の一編となる予定。また、以上のような理論的考察に依拠し、創造論問題という事例にそれを応用した論文「科学の基礎づけを求める創造論とリアリティのゆくえ-概念図式と言語ゲームからの分析-」を『宗教研究』に投稿した。査読の結果、修正して再提出とのこと。現在修正中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)