Project/Area Number |
11J09068
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Architectural environment/equipment
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安部 諭 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | リバースシミュレーション / ローパスフィルター操作 / 格子解像度依存性 / モニタリングポスト / 濃度塊モデリング |
Research Abstract |
流体中に拡散物質が漏えいした場合、その拡散源情報を特定し即座に対応しなけれはならない。本研究では、リバースシミュレーション(時間逆解析)を用いて拡散源情報特定を目指し、研究遂行している。 ・リバースシミュレーションによる拡散源位置特定に関する研究 リバースシミュレーションの第一の問題点は負の拡散による「数値不安定性」である。本研究では濃度フラックスにフィルター操作を施し、安定性向上を試みた。濃度フラックスにフィルター操作を施す物理的意味は、数値解析上で解像できる低波数成分が担う負の拡散を再現し、解像できない高波数成分の拡散についてはカットするものである。このフィルター操作を施した結果、安定して時間進行解析が実現できた。さらに、リバースシミュレーションで得られた解析結果は、設定した拡散源の周囲に濃度分布が集中し、この手法による拡散源特定が有用であることが示された。 以上を踏まえ、次にリバースシミュレーションの格子解像度、フィルター幅依存性について調査した。解析対象は、実問題適用を見据え、流線が大きく曲がり循環流葱形成するキャビティフローとし、解析を行った。その結果、リバースシミュレーションの精度は格子解像度、フィルター幅依存性が大きく実問題において解析を行う際は、その選択がとても重要になることが示された. さらに、実問題適用み向けて、限られたモニタリングポストで得られた時系列データを用いて、各々のモニタリングポスト周辺に運ばれた濃度塊をモデリングし、リバースシミュレーションを実行し拡散源位置を特定することを試みた。その結果、簡単な平面上の流れ場で発生時間は既知とした場合は、拡散源を特定できることが示された。また、拡散物質発生時間に関しては、各モニタリングポストでの濃度検知継続時間から予測できる可能性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究で、リバースシミュレーションの土台は完成に近づいていると自己評価している。 当初の予定以上にリバースシミュレーションの基礎的知見がまとまり、応用分野への適用の道筋が明確になった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はリバースシミュレーションは実問題適用に向けて進める。 まず、バックグランドの流れの時系列変化への対応である。これまでの解析では,バックグランドの流れ場は定常としていた。しかし、実現象では流れ場は時々刻々変化しているために、それにより運搬希釈される拡散物質は大きく影饗される。 流れ場の変化に対応するためには、二つの方法が考えられる。一つ目は「流れ場に関しても逆解析を行う」、「二つ目は流れ場の時系列データを保存して、リバースシミュレーション時にはそのデータを用いる」である。前者は連続の式とRavier-Stokes方程式とのカップリングがあるために、原理的に難しい。そのため、後者を用いることが現実的である。 今後は複雑な流れ場を形成するものを解析対象とし、流れ場の時系列変化を考慮にいれ、リバーズシミュレーションの実問題適用を検証する。
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