Th17と炎症疾患に関わる新規T細胞サブセット分化機構の解明
Project/Area Number |
11J09117
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
池田 聡史 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | Th17 / IL-1 / Foxp3 |
Research Abstract |
本研究では、(1)IL-1によるTh17細胞分化誘導条件下でのFoxp3発現抑制メカニズムの解明と(2)IL-1Ra産生性T細胞サブセットの同定と役割の解明を目指し、炎症性疾患におけるIL-1ファミリー分子の役割を深く理解する為の知見を得る事を研究目的とした。 (1)ついて:これまでの解析から、IL-1がIL-17産生を増強するだけでなく、naive T細胞からのTh17細胞分化誘導条件下でFoxp3の発現を抑制する事が示唆されていた。1)Th17細胞分化誘導時のIL-1によるFoxp3の発現低下がmTOR経路によるFoxp3発現制御に関与している可能性が示唆された。2)また、IL-1によるFoxp3の発現低下がIL-21も部分的に関与するが、IL-21に依存せずにIL-1がFoxp3の発現を抑制する事が示唆された。IL-6は関与していない事も確認した。3)さらにIL-1は細胞増殖非依存的にFoxp3の発現を抑制した。これらの結果から、IL-1が細胞に作用する事で直接Foxp3の発現を抑制すると考えられる。(2)について;免疫抑制T細胞サブセットと想定されるIL-1Ra産生CD4陽性細胞を同定し、その機能解析と分化メカニズムの解析を行う事を目的とした。1)作成したIL-1Ra-EGFPレポーターマウス(B57BL/6J)(信州大学助教 角田氏作成)の脾臓細胞及びリンパ節細胞を精製し、PMA/イオノマイシン刺激後に各細胞集団(CD3陽性、CD11c陽性など)におけるEGFPの発現を野生型と比較した。その結果、明らかなEGFP陽性細胞集団は認められなかった。 本研究で得られた知見は、IL-1の炎症性疾患に於ける重要性を裏付けるものであり、今後の医学の発展に貢献すると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
IL-1によるFoxp3発現制御メカニズムの解析は、予定通り進展している。しかし、IL-1Ra産生性T細胞サブセットの解析は、IL-1Ra-EGFPレポーターマウスを用いた解析が予定通り進んでいない。理由としては、IL-1Ra-EGFPレポーターマウスにおいて予想されたEGFPの発現が確認出来ないからである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は先行研究で用いられていた抗IL-1Ra抗体を用いてIL-1Raを染色し、IL-1Raレポーター遺伝子であるEGFPの発現パターンとIL-1Raタンパク質の発現パターンが一致するか検討する必要があると考えている。 またIL-1によるFoxp3の発現制御は、Foxp3遺伝子のプロモーター解析やFoxp3遺伝子周辺のクロマチン構造を、ChIPアッセイなどを用いて推定する事がより深い理解には必要であると考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)