実時間ナノスケール観測手法を用いた摩擦機構の解明と低摩擦化方策の探求
Project/Area Number |
11J09139
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Design engineering/Machine functional elements/Tribology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
鍋屋 信介 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | Micro/Nano Tribology / MEMS / TEM / STEM / DLC / PTFE / Ru / MoS2 / Diamond-like carbon / トライボロジー |
Research Abstract |
PTFE摩擦界面でのマイクロスケールでのスティックスリップ現象をSTEMを用いて観測し、摩擦力を測定することに成功した。押込み力を変えて摩擦したところ、スティックスリップの振る舞いに変化が見られた。押込み力が大きくなるに従って、スリップ距離が大きくなりスリップ回数が少なくなる様子が観測できた。また、摩擦前後においてPTFE表面が変形し引き延ばされている様子がナノスケールオーダーで観測できた。観測と同時に摩擦力も計測しており、その力計測の結果から摩擦により損失したエネルギーを計算し、15fjであることが分かった。この損失エネルギーは「摩擦による熱損失+塑性変形エネルギー+表面エネルギー変化」と表せるが、観測した表面変形から求められる塑性変形エネルギー+表面エネルギーの変化は1~2fjであった。この結果からPTFEの摩擦損失の85%以上が熱損失であることになるが、STEMでは表面変形の観測に限界があり表面エネルギー変化が低く見積られていると考えている。 Ru及びRuO_2を本研究での観察対象として開発した。これらのRu系材料についてもTEM, STEMで摩擦界面を観測し摩擦力を計測することに成功した。 DLCについては摩擦の作製方法を改良し、曲率100nm以内の面での接触点を作為的に作製することに成功した。これは今まで行えなかったサブナノスケールの摩擦界面をよりはっきり観測することを可能にする。 これらの成果を元に研究を進めることは、固体潤滑における動的な現象を明らかにすることにつながる。さらなる研究により様々な個体潤滑材のメカニズムを解明できれば、摩擦や摩耗によって失っていたエネルギーを有効に活用することにつながると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)