非晶質フッ素ポリマーを用いた1分子イメージングデバイスの開発
Project/Area Number |
11J09257
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Microdevices/Nanodevices
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
小野 尭生 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | バイオデバイス / 1分子イメージング / ナノマイクロ加工 / 非晶質フッ素ポリマー / ナノ・マイクロ加工 |
Research Abstract |
本年度はまず、1分子観察時にデバイス表面に非特異吸着した蛍光分子によるノイズを低減するため、ポリマーナノホールアレイ表面に化学修飾を施して吸着を抑制することを試みた。非特異吸着によるノイズの問題は、1分子イメージングとそれを利用した生化学研究において重要な問題である。低圧プラズマを用いたデバイスの表面処理、およびポリエチレングリコール鎖を持つ非イオン系界面活性剤Pluronic^<TM>(BASF Corp.)をデバイス表面に吸着させることによって、蛍光修飾たんぱく質の非特異的な吸着を約1/4に抑制することが出来た。 さらに、デバイス加工に用いたアルゴンプラズマによるデバイス材料の蛍光性ダメージに着目した。この蛍光はデバイスの構造上、デバイス表面でなく内部に生じていることがわかっていた。この蛍光をプラズマ誘起ダメージ検出に応用するための検討を行った。プラズマ中のイオンやUVのポリマーへの影響を個別に調べたところ、短波長のVUVがダメージ要因と判明した。VUVによりポリマーの構造が変化し、π共役系を生成して蛍光性を得たと推察された。従来材料内部のダメージを検出するには、試料をエッチングするなど、破壊的計測が必要であった。破壊的計測はそれ自体が試料にダメージを与える可能性がある。蛍光を用いて材料内部のダメージを非破壊的に検出可能な本法は、プラズマ誘起ダメージの研究に寄与すると考えられる。 以上まとめると、非晶質フッ素ポリマーと生体分子との相互作用の理解に基づいて、ポリマーナノホールアレイに必要な表面修飾法を構築した。さらに、当該ポリマーをプラズマプロセスによるダメージの評価に利用した新たな手法を開発した。 なお、本年度の成果は、国際学会発表三件を含む計五件の学会(うち二件は招待講演)において発表した。他に論文一報を執筆中である。また、一件の学会発表に対してポスター賞が授与された。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)