Project/Area Number |
11J09342
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials/Devices
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Research Fellow |
富永 和生 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2011 – 2012
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 導電性高分子アクチュエータ / 電気化学クリープ / PEDOT / ポリピロール / ジピロロアルカン / ジチエノアルカン |
Research Abstract |
導電性高分子アクチュエータには長期安定性が必要であり、中でも特に重要な問題である電気化学クリープ現象は、電気化学刺激を受ける事でクリープが促進されてしまう現象である.この電気化学クリープは温度、負荷により増加する事が今回の実験で明らかとなった.さらに温度変化において、高温状態ではエントロピー弾性が発現し、高分子の熱運動が電気化学刺激との相互作用で発生する現象だとわかった.さらに、伸縮運動を行う際、電気化学活性層というモデルを立てる事で、電気化学反応部と伸縮率の関係を示した.その結果膜全体の約25%が電気化学活性となる事で最大伸縮量を示す事が判った.このような結果から電気化学クリープ抑制のため、架橋分子の導入というシンプルな方法でこれらを解決することができた.架橋分子の合成には、導電性高分子アクチュエータの主鎖に使用しているピロールから架橋分子であるジピロロアルカンを新規に合成し導入する事で電気化学クリープの抑制を可能とした.しかし、架橋ポリピロールは、ジピロロアルカンにより実効共役長を減少させてしまう事となり、導電率の低下、注入電荷量の低下に伴う伸縮率の低下という問題を引き起こした.そこでポリエチレンジオキシチオフェンを主骨格にチオフェンを架橋分子としたジチエノアルカンを導入した新規架橋導電性高分子アクチュエータを開発した.ポリエチレンジオキシチオフェンのみのアクチュエータの性能はピロールを遥かにしのぐ安定性動作を示した.さらに荷重の増加による伸縮率の増大というこれまでにない新たな現象の発見にも至った.このようなポリエチレンジオキシチオフェンを使用した新規架橋導電性高分子アクチュエータは電気化学クリープの抑制はもちろん、負荷に対する伸縮率の安定動作をも可能にした.本研究により電気化学クリープ現象の特性解明さらに抑制方法と安定な導電性高分子アクチュエータの分子設計の指針を示した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の目的として超分子を用いた複雑な分子を設計していたが、より簡単な架橋分子を設計し導入することで本来の目的である電気化学クリープを抑制できることを見出した.さらに、電気化学的に不安定であったアクチュエータを新たな高分子主鎖をを用いることで安定化させ、これまで以上に長期運転の可能性を見出した.また、電気化学クリープ現象はこれまでほとんどその現象が把握できていなかったが、温度、荷重、活性層などを調べることでその挙動を把握することができた.以上のことにより本来の目的であることは達成し、さらに性能の良いアクチュエータの作製に成功していることから当初の計画以上に進展していると言える.
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)