ハイブリッド反応系構築によるサリチリデンアニリン類のフォトクロミズム動的制御
Project/Area Number |
11J09613
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Research Fellow |
上本 紘平 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | サリチリデンアニリン / フォトクロミズム / 単結晶構造解析 / 混晶 / 共結晶 / 脱水・水和転移 / ジャンピングクリスタル / 結晶構造解析 |
Research Abstract |
フォトクロミック化合物は光によって可逆的な色調変化を示す材料として超高密度記憶媒体、ディスプレイや光スイッチングデバイスへの利用が期待される物質である。サリチリデンアニリン(SA)はその中でも古くから知られるフォトクロミック化合物の一つであり、紫外光照射によって黄色から赤榿色へと変化し、可視光もしくは熱によって元の黄色へと戻る。この反応は結晶相において進行するが、結晶中のSA分子の立体配座によってフォトクロミズム発現の有無が異なり、非平面構造のもののみフォトクロミズムを示すことが知られている。本研究の目的は、SA誘導体のフォトクロミズム反応を分子の立体配座を制御することに寄って制御することであり、以下の様な動的な制御を達成した。 [混晶形成によるフォトクロミズム発現制御] ある成分(ホスト)に少量の他成分(ゲスト)を同時に結晶化することで、同一結晶の中に不均一に両方の成分が含まれている混晶では、ゲスト分子はホストの結晶構造に合うように分子構造を変化させる。結晶中で平面な分子構造のフォトクロミズムを示さないN-salicylidene-4-carboxyanilineをゲストに、これと似た化学構造を持ち結晶中で非平面な分子構造のN-benzylidene-4-carboxyanilineをホストとして混晶形成を行った所、SA分子がホストと同様の非平面構造に変化し、フォトクロミズムが発現した。また、結晶中で平面構造を持つN-salicylidene-2-aminopyridineはフォトクロミズムを示さないが、これとOH基以外は同じ化学構造をもち、結晶構造中で非平面の分子構造を持つことで知られるN-benzylidneanilineをホスト分子として用い、混晶を作成したところ、フォトクロミズムが発現した。以上から、混晶によりSA誘導体の分子構造を精密に制御しフォトクロミズムを発現することに成功した。このことから混晶法による分子構造精密制御を介したフォトクロミズム発現に成功した。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)