祭政一致の思想史──国家神道前史における神話解釈の系譜──
Project/Area Number |
11J09646
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Religious studies
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
齋藤 公太 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2011 – 2013
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2013: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2012: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2011: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
|
Keywords | 祭政一致論 / 国家神道 / 後期水戸学 / 会沢正志斎 / 北畠親房 / 徂徠学 / 国学 / 儒家神道 / 宗教と政治 / 垂加神道 / 神道思想 / 若林強斎 / 儒教 / 朱子学 / 政治と宗教 / 日本思想史 |
Research Abstract |
本年度は後期水戸学の祭政一致論について研究を進める予定であったため、茨城県立歴史館や茨城県立図書館において会沢正志斎に関する資料などを調査し、『読書日札』『読周館』『建国紀要序』といった著作の自筆原稿(写真版)を撮影することができた。その他祭政一致論に関連する刊行資料なども収集した。 このような調査の結果に基づき、また前年度までの研究成果をふまえ、これまで十分に解明されてこなかった祭政一致論の総体的な歴史を以下のように描き出すことができた。近世において祭政一致論は多くの儒者や儒教寄りの神道家の間で唱えられた。それは当初儒教に対する制度的な保障が乏しい近世日本社会において、儒教の実践を歴史的に正当化する言説としての役割を果たしていた。しかし近世中期に登場する祖徠学派は、儀礼の政治的効果に着目することで儒教を再定式化しつつ、祭政一致を標榜する神道は儒教が変質して日本に伝わったものにすぎないとした。かかる歴史的な神道批判に対応して国学も神道を再定式化していく。このような徂徠学の影響のもとで江戸後期に出現した後期水戸学は、一方で国学の実証主義を受け入れつつもその非政治性に飽き足りなかったため、北畠親房のテクストを再解釈することで「国体」観念を生み出し、新たな祭政一致論を提起する。それはやがて徳川政治体制の再建という本来の企図から離れ、近代のいわゆる国家神道に転用されていったのである。以上のように本研究は国家神道に至る思想的系譜の一端を明るみに出した。 これらの研究成果に基づいて、本年度は日韓次世代学術フォーラムや日本宗教学会などで研究発表を行った。さらに本年度はまとめとなる論文を学術雑誌に掲載する予定であったが、前年度に投稿した論文「不可視の『神里』」の改稿に時間をとられ、本年度中に間に合わせることができなかった。まとめの論文は来年度以降発表する所存である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
祭政一致論の系譜の解明という当初の目的はおおよそ達成できたものの、前年度に投稿した論文を何度か改稿しなければならなかっため、研究成果をとりまとめた論文を発表することができなかった。本年度は研究期間の最終年度であるが、まとめの論文は来年度以降発表したい。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度が研究期間の最終年度であるため、今後の推進方策は特にない。ただ、上記の通り研究成果をとりまとめた論文を来年度以降発表する所存である。
|
Report
(3 results)
Research Products
(12 results)