Project/Area Number |
11J09652
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | Azabu University |
Research Fellow |
小林 亮介 麻布大学, 獣医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | イヌ / 腎臓 / 糸球体 / 足細胞 / ネフリン / 病理 |
Research Abstract |
イヌの糸球体疾患における足細胞関連分子の発現解析をおこなうための臨床材料として、腎生検症例を年度内までに39例集め、病理診断をおこなった。うち21例(16例の糸球体疾患:膜性増殖性糸球体腎炎、メサンギウム増殖性糸球体腎炎、膜性腎症、糸球体アミロイドーシス、微小糸球体病変、巣状分節性糸球体硬化症を含む)について足細胞傷害に関する詳細な解析をおこなった。非糸球体疾患(5例)および正常イヌ糸球体を対照群として用いた。電顕観察により糸球体疾患では様々な程度の足細胞傷害が観察され、一方対照群ではほとんど変化なかった。足細胞関連分子の発現解析では、イヌの糸球体疾患いずれにおいてもnephrinが高度に発現低下することが示され、またpodocinも低下することが明らかになった。Nephrinとa-actinin-4の免疫染色パターンは、各糸球体疾患の特徴や重篤度を反映した変化を示していた。足細胞マーカーとして用いられるWT1を用いた解析では、いずれの糸球体疾患においても足細胞数が減少していることが明らかになり、数の減少も糸球体傷害の進行に関与していると推測された。また、タンパク尿定量値と分子発現スコアの相関解析では、タンパク尿とnephrinおよびpodocinのスコアが高い負の相関を示すことが明らかになり、この2分子の発現が糸球体傷害の程度を反映すること、糸球体疾患の尿中診断マーカーとして有用である可能性が示唆された。糸球体局所におけるnephrin mRNAの定量的解析では、疾患糸球体において正常糸球体と比較して約26.2倍の発現上昇がみられた。以上の結果より、イヌの様々な糸球体疾患において、ヒトの糸球体疾患と同様その病態に足細胞の傷害ならびに足細胞関連分子の発現変化が深く関与していることが示された。足細胞を保護する薬剤によりタンパク尿を抑制、腎機能低下を阻止することがイヌの腎疾患の治療において重要であると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)