文書の機能論的研究からみた鎌倉幕府訴訟の日本法制史上の位置
Project/Area Number |
11J09727
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
佐藤 雄基 東京大学, 史料編纂所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2013: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 日本中世史 / 荘園制 / 古文書学 / 日本法制史 / 史学史 / 朝河貫一 / 比較史 / 鎌倉幕府 / 日本古代史 |
Research Abstract |
受入機関である東京大学史料編纂所架蔵の写真帳などを利用して、鎌倉幕府の裁判と中世社会との関係について研究を進めた。とりわけ『金沢文庫古文書』をはじめとする鎌倉後期の幕府関係文書について文書論的な研究を深められたのは、基礎作業として重要となる。 本研究では、平安期の裁判・紛争解決の研究を踏まえて鎌倉幕府裁判像の再検討を行うことに力点を置いた。近代歴史学において鎌倉幕府の「裁判」は近代的な法律・行政のイメージを投影されがちであったが、院政期の本所裁判と同じく、自身の関係者・所職の処分という点において非第三者的な性格をもった。政権首脳陣から実務官人まで様々なレヴェルにおいて京都社会との人的関係を伴っていたために、幕府の政策は成立当初から京都の公家政権との関係に規定されており、その裁判の特徴とされる「公平性」の主張やコネクションによる介入・干渉への抑制的な姿勢は内外の政治情勢の下で「裁判をすること」の正当性を主張するためになされたという点を論じた。さらに地頭・御家人制の成立に伴う混乱期を経て、中後期の鎌倉幕府が御家人らのネットワークを再組織化し、紛争解決・裁判に組み込む傾向をもったことを指摘し、古代・中世前期には「制度」を動かす潤滑油であった《縁》(人的関係・ネットワーク)自体を制度化する動きが中世後期の趨勢になっていくことを展望した。 これらの研究は『岩波講座日本歴史』の講座論文にまとめたほか、鎌倉前期の政治史・土地制度史において裁判制度を位置づけたものとして荘園制の概説書を分担執筆した。 また、裁判・紛争解決と不可分のものとして中世古文書の特徴について比較史・史学史的観点を交えて考察し、幾つかの学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りに裁判・紛争解決の側面から日本法制史上の鎌倉幕府の位置についてまとめた論文を執筆することができた。起請文の機能を中心にして中世法の特徴をまとめる作業についても、論文のかたちでは発表できなかったが、基礎的な作業を終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(3 results)
Research Products
(26 results)
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[Presentation] 朝河貫一と入来文書2013
Author(s)
佐藤雄基
Organizer
第96回朝河貫一研究会(公開)
Place of Presentation
二本松市市民交流センター(福島県二本松市)
Year and Date
2013-07-27
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Invited
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