Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2013: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
昨年度の成果(Iwasaki et al. 2013, Aquat Toxicol.)より, 水中の金属の総濃度やフリーイオン濃度よりも, フミン酸に吸着すると推定される金属量が河川の底生動物の種数や個体数への金属影響を予測する上で, より良い曝露指標であることが示唆された。この成果をもとに, 2013年5月に行われたSETAC Europe 23rd Annual Meeting(英国, グラスゴー)において口頭発表を行った。さらに本年度は, ブラウントラウトを対象に銅と亜鉛の複合影響を調べた毒性試験データを取得し, 他の分類群(すなわち, ここでは魚類)を対象とした場合の当該曝露指標の適用可能性を評価した。得られた結果は上述の結果を支持するものであり, Environmental Toxicology & Chemistry誌において計画されている「金属の複合影響」特集号に, 本成果も含めて合計4本(主著2本, 共著2本)の論文投稿を準備している。以上の結果は, 野外データを用いて, 複数の金属と底生動物種数の関係を定量化した, 既出の複合影響予測モデル(Stockdale et al. 2010)を支持するものである。 また, 米国のコロラド州立大学に短期滞在し(2013年8月~11月, 指導教官 : Prof. William Clements), カルシウム濃度の増加が銅の生態毒性に及ぼす影響を評価するために昨年度実施したマイクロコスム実験結果をまとめ, 現在投稿論文を準備中である。また, 新たな野外実験も行った。加えて, 金属の生態リスク評価に関する近年の研究結果を基に生態リスク評価の最前線や今後の展望を議論した寄稿論文(環境毒性学会誌に掲載予定 : 共著)や, 生態リスク評価の基盤となっている毒性指標NOECとLOECの問題点について解説した論文(環境毒性学会誌に掲載 : 主著)を執筆した。後者の解説論文は一定の反響があり, 経済産業省からの予算を得て新たな共同研究も始まった。
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